今日、6月1日より改正医療法に基づく新しい医療広告ガイドラインが施行になりました。
まぁ一般の方にはあんまり用がないようなもんかもしれませんが、歯科医院さんのホームページ管理を多く抱えているD-Styleにとっては当然無視できない話で、先月くらいからガイドラインへの対応で結構バタバタしています。
医療機関は元々広告に関して大きな規制を受けていて、テレビ・新聞・雑誌でも衣料品や飲食店のようなタイプの医療機関の広告って見たことないはずです。ドバイをヘリで飛んでる某クリニックも診療について具体的な内容は一切出てきませんよね。しかしこれまでホームページに関しては広告として扱われていなくて、もちろんこれまでもガイドラインはあったので何でもアリではないんですが、結構自由に表現できてた部分が多かったんですよ。
特に美容整形系、あとはレーシックとかインプラントとか、高めの自由診療では安さや効果を全面的に押し出して、それが常識的な範囲だったらよかったんでしょうけど、中には虚偽や誇大宣伝のホームページも多々見受けられて、結果的に患者さんとのトラブルやクレームなどが多発し、それらへの対応ということが主な目的だと思いますが、今回の新しい医療広告ガイドラインによりホームページも広告として正式に扱われることになりました。
実際、昨年8月から実施されてきた医療広告のパトロールでは5月31日までに160ものガイドラインに違反したホームページが見つかって、美容関係が多かったとのこと。
で、新しいガイドラインで変わる大きなものとしては
・患者個人の体験談の掲載
・費用の安さ等の誇張や過度な強調
・詳細な説明のない治療前後比較写真の掲載
・専門資格、設備認定等の誇張や過度な強調
・承認前の医薬品、医療機器の名称、効能・効果、性能の表示
などが禁止されました。
ガイドラインで禁止されてるかどうかは関係なく、真っ当な医療機関であれば問題のないものもあるのですが、体験談や症例写真なんかは患者さんがその医療機関を受診するかどうか判断する材料になるものなので、これがNGというのは医療機関にとっても患者さんにとっても不利益ではないかという気がします。しかしやはりこれらは使う側(医療機関側)の裁量次第で誠実なものにもインチキなものにもなりうるものとも言えるので仕方がないことなのかもしれません。
一方で口コミサイトへの投稿はこれまで通り規制の対象にはならないとのことで、今後は医療系・地域系ポータルでのヤラセ口コミ投稿が横行しそうな予感。歯科で言えば少し前は某歯科ポータルサイトでライバル医院へのブラックコメント投稿とかスタッフによる自作自演投稿が蔓延していて、その口コミ評価でランキングまでされていたのでかなりダークな状態になっていたものです。あそこへの掲載を拒否した医院も多かったですし。またあれの再来でしょうかねぇ。
また、ガイドラインに違反しているホームページの通報システムもあるので、ライバル同士での潰し合いみたいなことも起こるかも。
ま、医療関係に限らず、ホームページにも限らず、基本は誠心誠意・正直商売、これでしょう。
悪意はなくてもガイドラインに抵触しそうな内容が載っている場合は早めに対応しましょうね。