中越地震から8年

今日で中越地震から8年だそうです。

はぁ、もうそんなに経ったんですね・・・・・。

でもあの時のコトはまだハッキリ憶えてますねー。あの時息子はまだ保育園、娘はまだ1歳。娘はもちろん何もわかってませんけど、息子は人生初の経験にかなり怯えて具合悪くなってたもんです。当時住んでた借家で玄関近くに使ってなかった部屋があって、その後も続く余震に備えていつもの寝室ではなくそこで寝てたんだよなぁ。ボロ家だったんで余震でもガシャガシャうるさかったですね。

で、その後には中越沖地震もあって、その時は柏崎刈羽原発がお漏らししちゃって、東日本大震災と福島第一原発事故を経験した今では、これらの地震で柏崎刈羽原発が福島第一原発レベルの事故を起こしていたら今ごろ私たちもこの新潟にはいられなかったと改めて怖いと思いますよ。

あの頃はTwitterもなかったし、何も知らされないまま「ただちに影響ありません」で今より深刻な被曝をさせられてたかもしれません。

相変わらず原発再稼働とか建設再開とかって話が出てますけど、いつ起こるかわからない巨大地震に備えて、万が一の時に人間がコントロールできない原発は早期に廃炉していただきたいと願います。

未来ある子供たちのためにも。

傍聴

今日の午後、新潟市西区役所で瓦礫問題の小委員会が開催されると聞きつけて傍聴に行ってきました。

・・・・・東区民ですが何か?

初めて訪れる西区役所(あんなトコにあったの知らんかった)の入口を抜け3階の会議室へ行くと、知った顔が何人も。瓦礫に関してはだんだんレギュラー化してるみたい(笑)。傍聴は全部で10名くらいだったでしょうか。もちろん傍聴なので発言はもちろん拍手もヤジもNG。ひたすら黙って会議を見守りました。

全体的な印象としては、概ね瓦礫受入に反対の意見が多数であったように思います。市側が用意した資料にこれまで開催した説明会で回収したアンケートの意見集約結果が載っていて、そこでは各地区を合わせた全体の集計で賛成が37.4%、反対が62.6%(コメント無記入・意思判別不可を除く)という結果がまとめられているにもかかわらず、篠田市長が「大方の賛成を得られた」と試験焼却の実施を発表したことについては参加者の多くから厳しい意見も出ていました。そりゃそうですわ、市の集計で反対が過半数なのに「賛成」と判断するって子供でも「おかしくね?」って思いますよ。廃棄物施設課のH課長はアンケート以外も含めて総合的に市長が判断したと弁明してましたけど、まるで正反対の判断に焼却場・処分場を抱える地元としては地元軽視と受け取られても仕方がないし、反発するのは当然だと思います。

が、一方で賛成を暗に示すような意見もチラホラ。でも、ハッキリと「賛成!」とは言わないんですよね。大槌町の瓦礫は汚染されていないとか、大槌町と新潟の直線距離を比べてウンヌンとか、なんだか市の説明会みたいな薄っぺらい話で間接的に燃やして埋めても問題ないと言いたげな、そんな意図を感じました。

どーやらここにも原子力ムラと同じ構図の黒い力が及んでいるようです。

ま、焼却場とか処分場とか、いわゆる迷惑施設ができるウラには必ずそれでオイシイ思いをする人がいるもんですからね。

で、結果的に意見はまとまらず、これは委員会での会議よりも水面下の根回しでまとめられちゃいそうな、そんな危険な印象を受けました。

 

あとは、全体的に知識が浅いという印象も。市民対象の説明会や市役所前行動でも大方の市民は関心薄いし知識も蓄えていないというのは感じてますが、焼却場・処分場を抱える地元の方々はもっと危機感持って勉強されているのかと思ってたら、実際はそうでもないみたい。多分、他県で既に健康被害が出てることも知らないだろうし、新潟が瓦礫を受け入れれば岩手の瓦礫がほとんどなくなると誤解してる方も多いんじゃないでしょうか。中にはかなり調べていらっしゃるんだろうなぁって方もいましたけど全然少数。賛成姿勢と思われる方が「現地に焼却施設作るより広域で運んだ方が安上がりで早い」みたいなこと言ってましたけど、浅い知識じゃうまいこと丸め込まれちゃうんじゃないかなーと見てるコッチがヒヤヒヤ。ちなみに私の考えは現地焼却も広域処理もしないで埋めて防潮堤を作る方が安全かつ安価で、現地雇用や中長期的な防災面でもベターだと思います。

 

何にしても、無責任な市が浅い知識で十分な説明もせずに利権優先でコトを進めようとしている姿勢は色んな意味で罪深いなぁと思います。

瓦礫受入の如何に関わらず、地元住民の間にしこりを残すことになるでしょうね。

新潟県知事選挙

明日は新潟県知事選挙の投票日。

現職含め3人が立候補する中、脱原発・瓦礫広域処理反対の私としては事実上一択状態で、情勢も早くから現職優勢と伝えられ、選挙結果もそうなるとは思っていますが、ここは県民一人一人が自分の判断でちゃんと一票投じて自分の意思を示してほしいと思います。

んーと、なんかね、いい年こいたおっさんの言うことじゃないんだけど、今さらながら選挙の重要さをひしひしと感じるようになりましたよ。

3年前の政権交代で民意が国を変えることができると実感したかと思えばその後はことごとく裏切られ続け、震災以降の対応に至ってはヒドいとしか思えない状態で、もしあの時政権交代してなかったらまだマシだったのかと言えばそうとも思えないんだけど、あの時世間の波に乗っかるだけではなく、立候補者個々の人柄とか政治感とかこれまでの活動とか、そういうのもちゃんと見極めた上で投票しないとこういうことになるんだなと恐ろしさを感じます。

県議会議員選挙・市議会議員選挙にもなれば一気に感心低くなるし、ぶっちゃけ今までやってた人が立候補して、大して変わり映えのないまま同じような顔が議員を続けて、流れ作業のような形式的な議会を運営していくよーな、言い方悪いかもしれないけど「何でもいいよ」的な感じではあったんだけど、新潟市が瓦礫広域処理を行う話が出てからは市議会議員のほとんどが瓦礫焼却に賛成で、あれよあれよと試験焼却の予算が可決されちゃった上に、議員の一人からは「新潟の子供がちょっとぐらい被曝してもいい」なんて言葉が出てくる始末。

ウチの近くにも長年続けてらっしゃる市議会議員さんがいまして、その方はこの地域の保育園・小学校・中学校での入学式・卒業式・運動会などなどイベント事には毎回足しげく顔を出して、まぁそれは選挙対策の一環だってのはわかってはいるけど、地域の子供の教育や子育て環境なんかにもそれなりに関心・配慮があるのかなと思ってたら瓦礫に関しては問答無用に賛成ですよ(しかも議会中寝てるし)。この辺は亀田清掃センターからそんなに離れてもいないし、瓦礫が燃やされたらこの地域の子供たちが内部被曝する可能性が否定できないにもかかわらず、これまで何百人・何千人もの子供たちの顔と成長を見続けてきた方なのに、そういう子供たちの将来の不安材料をまったく考慮しない姿勢に正直ガッカリしています(期待もしてなかったけどさ・・・・)。

結局、議員さん本人の問題もあるけど、それまで無関心だった自分たちの責任でもあるわけですよね。

選挙権を頂いてからこんなに時間が経ってから気付いた自分の愚かさを反省すると共に、今後はちゃんと人となりも見た上で一票投じようと思います。

そう遠くないうちに行われるであろう衆議院選挙でもそうですよね。まさか自民党返り咲きなんてことは論外としても、メディア戦略の上手い維新の会にはうまいこと乗せられちゃう人が多いかもしれません。

 この方、言うことは一丁前ですが放射性物質のことなんて何もわかっちゃいません。焼却で漏れようが大阪府民が病気になろうが知ったこっちゃない、府民・市民の安全・安心を何よりも大事にするという考え方は持っていないという方なんだと思います。波に乗ってこんなの当選させちゃった大阪はこの先どうなるのでしょう。

法務大臣はコロコロ変えられちゃうのに、国民が政治家を変えることは容易じゃない。リコールだって権利はあっても実効性のハードル高いし。

だからやっぱり選挙の一票って大事なんだなーと実感するわけですよ。

何はともあれ、明日の新潟県知事選挙はぜひ一票投じてあなたの意思を示しましょう。

 

 

・・・・・・コレは必要ないですかね(笑)

試験焼却に断固反対します

新潟市が震災瓦礫の試験焼却を早ければ11月中旬に行うと発表されました。

篠田市長は先行して行われた三条市・柏崎市の試験焼却で焼却灰セシウム濃度が受入基準の100ベクレル/kgを下回ったことを受け、
「全国で最も厳しく設定した受け入れ基準が十分に達成可能であることが確認できた」
「反対や慎重意見もあるが、総合的に判断した。測定データの提示により、市民の不安軽減につなげたい」
とコメントを出しました。

 

・・・・・・いずれこの発表があることは想定してはいましたが、正直怒りと失望でいっぱいです。

まず、「全国で最も厳しく設定した受け入れ基準が十分に達成可能であることが確認できた」と篠田市長は言いますが、現時点で公表されている試験焼却のデータは焼却灰のセシウム濃度と周辺の空間線量だけで、先日の記事でも書いたように濃度だけでは安全性を判断する根拠とはなりません。焼却灰の基準は混焼で薄めて燃やせば達成できることは試験せずともわかることで、排ガスやセシウム以外の核種や有害物質等のデータが出ていない段階(市が既に把握してるかは不明)で焼却灰の基準だけ見て安全だと判断するなら試験焼却そのものが意味を成しません。そしてそんな不十分なデータだけで「総合的に判断した」と言うなら新潟市で試験焼却しても同様に混焼で薄めた焼却灰のセシウム濃度だけで篠田市長は本焼却にGoサインを出すということで、これで市民の不安軽減なんてできるんでしょうか。むしろ不安は増すばかり。しかも本来であれば焼却灰以外のデータも出揃った段階で判断すべき試験焼却実施をこのタイミングで発表したのは、県知事選挙期間中で発言に制約のある泉田知事に横やりを入れられないうちにという姑息さも感じます。

また、篠田市長はこれまで70回以上開催された説明会に一度も顔を出しておらず、説明会で出た質問・要望でも市民から寄せられた公開質問状でも未回答のものが多く、試験焼却については環境部に丸投げと散々逃げ回った上で試験焼却実施だけは自ら判断という、まるで市民と向き合う気のない独裁状態。これだけ重要な判断を自ら下し、その上で市民の不安を軽減したいと言うのなら、篠田市長は市民と直接対話の機会を設け、市民の生の声を聞くべきで、それをせずに焼却場周辺地域と結んだ公害防止協定を無視してまで焼却を強行する権限が市長にあるのでしょうか。

焼却灰の処理も不安がいっぱいです。柏崎市では既に最終処分場に袋詰めにされた焼却灰が埋められましたが、本焼却からは袋に入れずそのまま埋め立てるのだそう。今後何十年・何百年も放射線を発し続ける総量で膨大な量になる放射性物質が袋詰めでも大丈夫なのか不安なのに、そのまま埋めるというのは危機管理意識があまりにも欠けていると思わざるを得ません。当然新潟市も同様のはずで、太夫浜・赤塚埋立処分場で環境汚染が起こるのは否定できず、赤塚での基準値超え鉛の件を考えても市に適切な管理ができるとも思えません。

震災直後に見積もられた量より瓦礫の実量は減っています。被災地では瓦礫を活用した防潮堤の計画も進められ、防潮堤に必要な瓦礫はむしろ不足しています。もう被災地ですら瓦礫を燃やす必要性はなくなっているんです。それを阪神淡路大震災の数倍の単価で燃やすために全国で瓦礫の奪い合い。山形でも関東でも静岡でも北九州でも健康被害の報告は跡を絶ちません。市民の声を無視してまで瓦礫を燃やすのはなんのためでしょう?

新潟には多くの被災者が避難もしています。放射能から逃れるために大変な思いをして新潟に来たのに、避難した先でまた放射能の恐怖にさらされる被災者に対して新潟5市は何も感じないのでしょうか?

新潟は瓦礫ではなく人を受け入れ、新潟の子供たち・農業・自然環境を守ってください。

そして、新潟にお住いの皆さん・避難者の皆さんは5市長の暴挙に対してNoの声を上げてください。

濃度だけではわからない

先日行われた三条市と柏崎市の震災瓦礫試験焼却で、焼却灰の放射性セシウム濃度が発表されました。

三条市で24.4ベクレル/kg
柏崎市で33.4ベクレル/kg

いずれも新潟5市共通の受け入れ基準である100ベクレル/kgを下回りました。

この結果を受け、新聞・テレビなどほとんどのメディアでは「基準値以下でした」と報じているのですが、

ちょっと待って。

「基準値以下でした」という表現を聞いてほとんどの方は「=安全」と解釈するのではないかと思いますが、焼却灰のセシウム濃度測定では正に濃度の数値がわかっただけで、焼却の安全性を証明する材料にはなりません。

灰の濃度では煙突から漏れたか漏れてないかわからない!!

まして試験焼却は一般ゴミとの混焼ですから、灰が基準値以下になるのは試験前から容易に想像できること。例えば三条市では一般ゴミ247トンに瓦礫13トンを混ぜて燃やしてますので瓦礫は全体の5%に過ぎず、仮に瓦礫100%で燃やしたなら当然もっと高い数値が出ます。要はキロ当りの濃度が違うだけで持ち込まれたセシウムの総量は変わらず、薄いのがいっぱいか、濃いのがちょっとかの違い。244ベクレル/kgの灰が1kgと24.4ベクレル/kgの灰が10kgでは結局セシウムの量が同じなのは子供でもわかりますよね。しかもこれが実際にはキロどころかトンでの話ですからね。本来であれば一般ゴミの焼却前セシウム濃度も合わせて測定し、混焼の総量260トンで総ベクレルがいくつ、灰になって総量が何トンになったのか等も合わせて公表しないと意味がありません。焼却によって重量で1/5程度(体積では1/20程度)に減量されるそうなので(違ってたら失礼)、その通りだとすれば270トンが1/5で54トン、全て24.4ベクレル/kgとすれば焼却灰に含まれるセシウムの総ベクレルは131万7600ベクレルということになり(瓦礫9.5ベクレル/kg×13トンより多い!?)、これが1ヵ所の処分場に埋め立てられるのであれば、キロ当りのベクレル数で安全かどうかという話はほとんど意味を成しません。

また、濃度と総量については新潟県の泉田知事も以下のようにコメントを発表しています。

新潟県:震災がれきの試験焼却実施に関する知事コメント

 本日、三条市と柏崎市から、震災がれきの試験焼却結果が公表されました。
 焼却灰(飛灰)の放射性セシウム濃度は21から49ベクレル/kgとのことでしたが、放射能については、震災前よりも管理基準を緩和すべきでなく、従前に準じて人間社会から隔絶するよう最大限の努力を行うべきと考えております。
 IAEAの基本原則に従えば、混焼による希釈処理は可能な限り避けるべきであり、放射能を含むがれきは、できるだけ、単独で焼却を行い、それによる焼却灰を隔離するべきであります。
 混焼により濃度が下がったとしても、両市合わせて17万から24万ベクレルほどの放射性物質が持ちこまれました。新潟水俣病は、濃度規制しか行わなかったため、総量としての有機水銀が環境中に拡散され引き起こされた悲劇です。このような、歴史に学ぶ対応が必要と考えています。
 県としては、試験焼却による周辺環境への影響を確認するため、引き続き放射線監視をしっかりと行ってまいりたいと考えています。

知事の「水俣病の歴史に学ぶ」という言葉は非常に同感です。

で、繰り返しますが、灰のセシウム濃度では排ガスにどれだけ含まれてどれだけ漏れたか、あるいは全て捕捉できたかというのはわかりません。本来であれば試験焼却によって得られるデータは全て開示し、それを元に安全性を証明する必要があり、それこそが試験焼却の最大の目的です。

なのに先行して灰のセシウム濃度だけを公表してメディアに「基準値以下でした(つまり「安全です」と解釈されるように)」と報じさせるのはなんだかやり方がフェアではないように感じます。

今後、排ガスや周辺環境の数値も公表されるとは思いますが、三条市と柏崎市には安全神話だけが一人歩きすることのないように誠実な対応を望みたいと思います。