汚染セメント

今日、新潟市と長岡市の浄水場に保管されていた放射性物質を含む汚泥が糸魚川市のセメント会社2社に運び込まれたそうです。

今日の受け入れ分は新潟市が約30トン、長岡市が約20トン。
放射性セシウム濃度は、新潟市が同46ベクレル/kg、長岡市が同56ベクレル/kgとのこと。

つーことは、新潟分で138万ベクレル、長岡分で112万ベクレルってことですね。

キロ当たりは少なく見えて、トン単位になればかなりの量になるのは瓦礫と一緒。

放射性物質は濃度ではなく総量で考えるのが基本中の基本なのに。

しかもこれでたった1日分。

しかも測ってるのセシウムだけだし。

水に溶けやすいと言われるストロンチウムも入ってると思いますけどねー。

こうしてまた放射性物質が拡散されていくわけだ。

泉田知事は東電に引き取ってもらうべきと言ってたハズなのにねぇ。

 

そういえば前にありましたよね、汚染セメントで作られた放射能マンション(ひどい呼び方だ)。

あれってその後どうなったんでしょう。

あの時は確か砂利が汚染されてたって採石業者に責任押し付けてたと思ったんですけど、実際には恐らく汚染源は汚泥じゃないですかねー。

ま、砂利も否定しませんけど。

 

いずれにしてもこれから少なからず「放射性物質が確実に含まれる」セメントが市場に出回るわけです。

日頃、食べて応援してるって人でも、長いローン組んで一生住むマイホームを建てるってのに、基礎に汚染セメントが使われるとなったらどうでしょう。

あるいは学校や病院を建てるのにも使われるかもしれません。

それとも汚染セメントにNoと言うのはまた風評被害って言われるんでしょうか。

 

これからマイホームを建てる方は建築業者さんに「デンカと明星セメントのセメントは使わないでください」とお願いしておきましょうね。

 

瓦礫焼却より優先すべきこと

年が変わっても新潟の瓦礫問題はまだまだ終わりそうにありません。

以下、昨日の篠田市長の会見

 

東日本大震災:がれき「試験焼却、年度内に」 新潟市長、実施の意向/新潟(毎日新聞 2013年01月08日 地方版)

東日本大震災で発生した岩手県大槌町のがれきの試験焼却について、新潟市の篠田昭市長は7日の記者会見で「(試験焼却にかかる費用を)補正で予算を組んでもらっているので、年度内に予算を使えるようにしたい」と述べ、年度内に実施する考えを示した。市は昨年の9月議会で試験焼却の費用1260万円を予算計上している。
篠田市長は、がれきの試験焼却を予定している同市の亀田・新田両清掃センターで、焼却灰に基準を超える鉛や水銀が含まれていた問題については、情報公開とごみの分別徹底を市民に求めることに「全力投球する」とした上で、「それはこれ、これはこれで(がれきの処理を)やらせていただきたい」と、受け入れに向けた準備を進める意向を述べた。
また、受け入れに慎重な泉田裕彦知事について「全国(の知事)で唯一ああいうことを言っている」と批判。「市民からはだいぶ理解をいただき、『もっと強気に出てもいいのではないか』と励ましの言葉もいただいている」と話した。

 

水銀・鉛の問題と瓦礫は確かに別の問題とも言えますけど、3.11以前でも適正に管理されなければいけなかった水銀・鉛ですら管理できない焼却施設で放射性物質を含む瓦礫の焼却なんて危険極まりないのは明白です。それを「それはこれ、これはこれ」などと片付ける篠田市長は相変わらず誠意のカケラもありません。

また、昨年から続く泉田知事への批判も、まっとうな判断能力を持っていれば泉田知事の見解は非常にマトモであると誰でもわかるのに、それに対して理論的に反論できない篠田市長はやはり不勉強の知識不足と言わざるを得ません。「市民からだいぶ理解をいただき」ってどこの市民のことを言ってるのかわかりませんが、危険性についてまったく触れずに理解もヘッタクレもありませんので、篠田市長には今年こそ市民と直接話をする覚悟を先にしていただきたいものです。

そして次は今日の国定市長の会見

 

がれき本焼却は今月下旬、三条市(新潟日報 2013年01月08日)

岩手県大槌町の震災がれき受け入れについて、三条市の国定勇人市長は8日午前の会見で「本格受け入れは1月下旬になる」との見通しを示した。近く岩手県と詰めの調整に入る。
会見で国定市長は「(1月中にも本格焼却を始める意向の)柏崎市と一緒に、岩手県とのテーブルに着きたい」と強調。試験焼却と同様、がれきの運搬方法や時期などで柏崎市と共同歩調を取る考えを示した。
三条市は1日当たり6・5トンのがれき処理を予定。国が処理の目標とする2014年3月までに最大2400トンを見込む。本格焼却で出た灰は、市内の一般ごみと区別し、市内の最終処分場「道心坂埋立地」に埋め立てる予定。

 

個人的な印象としては瓦礫焼却への執着や泉田知事への反感は篠田市長より国定市長の方が格段に強いと感じます。

昨年暮れに瓦礫受入を検討した自治体に交付金が支払われ、結果として受け入れなかったとしても返還する必要がないってことが問題として報道されましたが、三条市はアレで2億5,700万円、更に復興特別会計として10億5,300万円、合計13億1,000万円を受け取っています。もちろんこれは国民(被災地も含む)が今年から25年間、復興特別増税として納める税金から拠出されます。

昨年の市議会12月定例会で1200万円の補正予算が可決されたのは知ってる三条市民も多いかと思いますが、13億もの金が三条市に渡っていることは知らない方が多いかもしれない。そりゃ瓦礫燃やして13億も入るなら国定市長も執着するわ。結局欲しいのは金で「被災地のため」なんてのは詭弁でしかないんですな。

この前の報道で大槌町で防潮堤を作る沿岸部の瓦礫が片付かないと復興が進まないなんて話がありましたが、実際には沿岸部に置かれている瓦礫は広域処理の対象ではない不燃瓦礫で、広域処理に回される可燃瓦礫は山手の方に片付けられて、それは復興の妨げにはまったくなっていません。それを不燃と可燃と一緒にして、さも瓦礫焼却すれば復興が劇的に進むかのように詐称するのはもはや犯罪的。だったらその13億を不燃瓦礫での防潮堤建設に使えや!と私は思います。

 

さらにこの正月には大槌町に派遣されていた兵庫県宝塚市の職員が自殺したという悲しい報道もありましたが、これについて詳しく書かれている記事がありました。

哀しい!派遣職員が自死。復興進まぬ大槌を、三陸を、支えよう! – 明日に向けて

記事を書かれたのは実際に大槌町に足を運び、現地の声を聞いてきた方なので、遠地ではなかなかわからないリアルな事情が伝わってきます。

大槌町で優先すべきは瓦礫処理よりも他にある。

間もなく震災から1年10ヶ月にもなろうというのに、なぜ未だに仮設暮らしの人が何万人もいて、被災地復興の青写真が描けてないのか。

膨大な予算を使って全国で瓦礫を燃やせば復興は終わるんですか?

 

必要な人や地域に税金が使われることに対してはまったく異論はありません。

しかし、新潟5市長にはそれが本当に被災地にとって最優先するべきことなのかしっかり考えて頂きたい。

そして、無関心な5市の市民も知るべきことは知って、声を上げるべきことに対しては声を上げていただきたい。

そう思います。

 

ガレキ焼却で何がおきるのか

寝耳に水とは正にこのことでしょうか。

長岡市は以前から12月中に行いたいと言ってた震災瓦礫の試験焼却、いきなり明日やるそうです。しかも試験焼却に使う瓦礫は新潟市の信濃川浄水場に一時保管されていたものの一部。瓦礫が信濃川浄水場から運び出されていたなんて誰も知らなかったし、Twitterでその話を知った市民が栃尾クリーンセンターへ駆けつけた時には既に瓦礫は搬入されていました。

完全に騙し討ちですよ、これ。

普通なら瓦礫を運び出すにも持ち込むのにも市民に告知する方が先であるべきで、一応栃尾クリーンセンター周辺自治会には昨日の時点で話はされていたそうですが、これとて了承が得られてたわけでもないし、やることが余りにも姑息。市長と市民の信頼関係をあれだけズダズダにして大揉めしたくせに、信頼回復どころか自ら更に失墜させるような愚行には開いた口が塞がりません。昨日の富山もそうですけど、どうしてこうも市民を無視して強行ばかりするんでしょうか。

このままだと明日のお昼12時から16時間かけて試験焼却が行われてしまいます。長岡市民は長岡市に抗議すると共に、お子さんや妊婦さんなどは特に充分な自衛策を講じてください。

 

で、未だに瓦礫焼却の危険性をまるでわかってない新潟5市長には特に見ていただきたい動画があります。

11月21日に亀田清掃センターで行われた市民主催説明会で山本節子さんの講演を聞き、それについては以前このブログでも内容の一部をお伝えしましたが(第5回市民主催説明会)、それとほぼ同じ内容の11月7日に若狭で行われた講演を写真や資料、山本さんの声をわかりやすく編集してくれた動画です。難しい言葉が多いので声だけだと理解するのも大変ですが、これだとかなり理解しやすいかと思います。時間が1時間以上とちょっと長いのですが、残念ながら割愛する箇所がないくらい濃い内容となっていますので、お時間見つけてフルで見てください。

 

これを見れば、瓦礫焼却がいかに恐ろしい結果をもたらすか子供でもわかるでしょう。私も山本さんのお話を聞くまで自分でもそれなりに知識を蓄えてきたつもりだったのに、それがブッ飛ぶくらい衝撃的でした。危険なのは放射性物質だけじゃない、焼却そのものが危険なのです。

11月29日~30日にかけて行われた大阪の試験焼却では大量のPM2.5が関西に撒き散らされました。その時の状況は大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」のデータで一目瞭然。以前の記事(大阪試験焼却時のPM2.5濃度推移)に貼った測定地図の画像をご覧になればわかるでしょう。PM2.5=放射性物質とは限りませんが、山本さんの講演でも述べられてるように焼却施設からは無数の有害物質がPM2.5となって放出されるのです。関東や北九州などで報告例が相次いだ鼻血などの健康被害、大阪でも既に表に出始めています。⇒「都市伝説では無い!大阪でも鼻血!」147件に及ぶ体調変化の報告を12/20緊急記者会見で発表!|大阪おかんの会のブログ

これでもまだ瓦礫焼却は必要だと思いますか?

三条市の国定市長が今日のブログで瓦礫焼却の補正予算が可決され「これで市民の意思が確定した」などとほざいてましたが、その記事の最後には被災地の様子を見てくれと大槌町ホームページへのリンクが貼ってありました。国定市長はご自身で大槌町ホームページをよくご覧になったのでしょうか。トップページの中ほどにある「災害の記憶を風化させない事業寄付金」というバナーがあります。そこにある「鎮魂の森公園の造成」、まさか国定市長は知らないわけではないでしょう。瓦礫を活用した防潮堤ならば大槌町でも広域でも瓦礫を燃やしてPM2.5化した放射性物質を撒き散らす必要はないし、木質チップに限定した新潟向け瓦礫の選別作業もいらないんです。もちろん全国トップクラスの瓦礫処理単価より圧倒的に低コスト。新潟に持ってくる瓦礫をそのまま防潮堤に使い、今回可決された1200万円もの予算を防潮堤建設支援に使えば、この前起きた大きな余震のように、いつ来るかわからない津波への備えもできるのです。誰も困らないこんなに素晴らしいプロジェクトあるのに、それでもまだ瓦礫焼却するべきですか?

 

見た方も多いでしょうか。見てなくてもタイトルくらいは聞いたことがあるかもしれません。現在、チェルノブイリ原発事故で何が起きたかを伝えるドキュメンタリー映画「チェルノブイリ・ハート」がGyaO!で無料公開中です。見てない方はこちらもぜひ見て頂きたい。

数年後、数十年後、いつになるかわかりませんが、日本でもこの先同じことが起こる・・・・かもしれない。あまりにもショッキングなんでこのブログでは触れないようにしているんですが、ソレ系で探すとチェルノブイリ・ハートなんてまだかわいいもんだと思うくらい過酷な現実を見ることができます。

不安を煽るつもりはありません。でも現実から目を逸らしていては最後に泣くのは自分や自分の大切な人たちです。原発事故も、瓦礫焼却も、それが何をもたらすのかを知った上で考えてください。

今年の漢字

毎年恒例の今年の漢字は「金」だそうで。

オリンピックの金メダル、IPS細胞でノーベル賞受賞、金環日食などが理由らしぃのですが、私的にはあんまり「金」ってイメージは浮かばないですねぇ。

twitterでは「命よりも金の意味か」なんて揶揄してる方もいらっしゃって、金のために瓦礫をバラまく市長と戦ってきた身としては、そちらの方が「だよね」って思ったりもします。

去年選ばれたのが「絆」、その絆に乗じて「金」を貪る政治家や首長。

この流れ、シリーズ化でしょうか?(笑)

来年は原発も広域処理も「止」とか「終」だといいなぁ。

 

あ、そうそう。新潟の瓦礫焼却反対の方、読んでますでしょうかね。

この前あるお子さんお持ちの女性と話した際に私が11.26で亀田に行ってたことを話したら「ありがとうございました~」なんて言われましたよ。この方とは以前から食品からの防御や広域処理の危険性など度々話すことがあって、職場でチラシのコピーを配ったりもしてくださっていたんですけど、試験焼却が止まったことをとても喜んでいました。感謝の言葉自体は私に向かって放たれたものですが、その言葉の先には11.26でトラックを止めた方はもちろん、これまで長きに渡って反対の声を上げ続けてきたみんなに向けられたもの。あの日以来、反対する人たちへのバッシングは相当ヒドいもんですが、様々な事情で表立って声を上げられない・上げにくい、でも気持ちは反対だという人もちゃんとして、そういう方に思いは届いてます。気持ちが折れそうなママさんたち、声は聞こえなくても味方はまだまだいっぱいいますよ。

そんなワケで、今年の漢字の「金」は、日本で初めて焼却場前からトラックを引き返させたという市民の「大金星」の金ということで受け止めたいと思います。

迷走

試験焼却するから亀田清掃センターに瓦礫コンテナ入れるわ

抗議受けたからとりあえず入れるの諦めた

じゃあ瓦礫は一旦大槌町に返すことにしよっと

でも市長のメンツつぶれるからやっぱり返すのやめるわ

リースのコンテナ返さなきゃだから瓦礫は浄水場に置くぜ?(事後報告)

明日ガレキをフレコンパックに詰め替えるぜぇ(←イマココ)

 

一旦止まったかに思えた試験焼却用の震災瓦礫。

ついこの前まで大槌町に返却すると明言していたにもかかわらず、新潟市はあろうことか信濃川浄水場敷地内に瓦礫を仮置きすると一方的にコンテナを浄水場に運び込みました。

当然、反対派(って表現好きじゃないんだけど)は猛反発。今日も朝からず~っと廃棄物施設課と浄水場で直談判。最後には警察まで動員して市は市民を排除しました。

やはり篠田市長は瓦礫受入を諦めてはいないようで、是が非でも試験焼却に持ち込みたいのでしょう。年内にも周辺自治体と勉強会を開くなり、アンケート調査を行うなりして理解を得たいと会見で言っておりましたが、これまでの流れで考えれば焼却ありきの中立的でないやり方をするのは想像に難しくありません。

ただですねぇ・・・・・

瓦礫受入の是非とか、市民の理解とか言う前に、これまで市長自ら撒いたタネでボロボロになっってしまった市と市民の信頼関係を回復させるのが何よりもまず優先させなければいけないんじゃないかと思うんですよね。

私はもちろん瓦礫焼却に反対の立場を変えるつもりはありませんが、百歩譲って仮置きなり試験焼却なりの話に進むにしても、言いだしっぺの篠田市長がこうも言うことをコロコロ変える迷走っぷりでは、瓦礫焼却に賛成してる人たちからの信頼も失うことになりかねません。

市長の迷走は市民も被災地も市職員も迷惑!

篠田市長は来年度中には試験焼却したいみたいなことを言ってたそうですが、来年度ってもう震災から2年ですよ?2年経って大槌町のたった1%の瓦礫を燃やすくらいなら、防潮堤プロジェクトを支援した方がずっとスピーディでいずれまた来るかもしれない大津波への備えもできる。ただでさえ全国一ハイコストな大槌町の瓦礫処理費用、それを防潮堤に使えばどれだけ多大な支援ができることか。費用が余ったとしても被災地はいくらあっても足りないくらいなんですから、瓦礫処理だけにお金を使うのではなく、被災地の真の復興に役立ててもらえばいい。

まぁ、篠田市長はどうしても瓦礫処理でのお金が欲しいんでしょうね。そのためには瓦礫処理こそ正義とウソを突き通すしかないんでしょう。

あ、勉強会やるなら参加者を制限なんかしないでくださいよ。専門家を呼ぶなら御用学者じゃなく正しい知識を持って中立的立場で話をしてくれる方でお願いします。

そして今度は市長も必ず出席してください。市民より、施設課の方より、誰より市長が一番不勉強なんですから。そうそう、瓦礫焼却に賛成された市議会議員の先生方も出席ですよ。それが自分が手を挙げたことへの責任ですからね。

もちろん、開いてくださるなら私も市民の一人として参加させていただきます。

数日後、やっぱり勉強会はやめたなんて迷走はもうカンベンしてくださいよ。