昨日は栃尾で行われた山本節子さんの講演会に行ってきました。
いや~、新潟市から栃尾ってけっこー遠いのね。
今夜は三条市、明日は新潟市でも山本節子さんの講演がありますが、なんでわざわざ栃尾まで行ったかと言えば「栃尾の空気感を感じたかった」から。明日の新潟市講演は子どもの塾の送り迎えがあるので行けないかもってのもあったんですけどね。
写真でご覧の通り、栃尾会場はそこそこ集まっていました。若いお母さんから年配の方まで幅広かったように思います。瓦礫を受け入れることになってしまった長岡では危機感抱いてる人がもしかしたらそんなに多くないんじゃないかという心配がありましたが、私が想像していたより危機感はありそうでしょうか。
で、私が山本節子さんの講演を聴くのはこれで2回目(⇒ 第5回市民主催説明会)。
基本的には前回の内容をほぼそのままトレースする内容でしたが、あの頃よりは中国の大気汚染問題でPM2.5という言葉がある程度知られていたことで、講演聴いた方も頭に入りやすかったように思います。
が、私もあれからまた色々知ったせいで、ほぼ同じ内容でも新たに認識する点がいくつかありました。
まずは農薬の問題。
ちょっと前から瓦礫に農薬が散布されていたという話を聞いていて、その点は山本さんも指摘されていましたので散布は恐らく事実なのでしょう。散布されていたのは「スミチオン」と呼ばれる農薬。スミチオンという名前は商品名で、正式にはフェニトロチオンという殺虫剤です。wikipediaで見ると詳しく載ってますが、「過去には千葉県でフェニトロチオン複合剤散布直後に水田に入った農夫が死亡した事例や、茨城県で住宅のダニ駆除にフェニトロチオン製剤を使用したところ一家全員に中毒症状が生じ、5歳の女児が死亡した事例がある。」という記載からもわかるようにフェニトロチオンは非常に毒性が強い。Twitterでは「弱いサリン」と称していた方もいたほどです。
そんな毒性の強い農薬を散布した瓦礫を焼却すればどうなるか。考えるまでもありません。この件では既に瓦礫焼却を始めてしまった大阪でも大きな問題になっているそうです。
そしてこのフェニトロチオンはPRTR法で「人や生態系に有害で、環境中に広く存在し、暴露可能性があると認められる」462物質のうち、発がん性、生殖細胞変異原性及び生殖発生毒性が認められる「特定第一種指定科学物質」に指定されている15物質中の一つでもありました(この15物質にはフェニトロチオン以外にベンゼン・トルエン・ダイオキシン類・鉛およびその化合物・アスベストなどがあります)。
この点は前の講演でも聞いていたはずなのに農薬の名前までは頭に残ってませんでしたが、農薬問題で予備知識を得てたおかげで問題の重大さを再認識することができました。
問題はスミチオンがいつ散布されたのか。東京などはもう1年以上も瓦礫を焼却していますが、広域処理が始まる前にスミチオンが既に散布されていたとすれば、早く焼却を始めていたところほど気化したスミチオンが拡散されている可能性があります。もちろん問題はスミチオンだけでなく放射性物質、アスベストやダイオキシンなどの有害物質、重金属類などもあるわけですが、これらは瓦礫に既に含まれていたものであるのに対し、スミチオンは瓦礫搬出元が自ら加えたものであるという点が大きく異なります。ただでさえ瓦礫焼却は健康被害が心配されるのに、それを増長させるような農薬散布はしてはならないし、してしまった瓦礫は焼却させるべきではありません。
続いて防腐剤の問題。
これは講演に使われた資料にはなく、山本さんが講演中にポロッと暴露した話なのですが、広域処理に回される木質系チップには防腐剤が散布されているというのです。
最近、瓦礫の総量が当初見積もりより大幅に減り、広域処理が予定より早く終了するという話を知ってる方も多いでしょう。総量が減った原因には瓦礫に土砂が含まれていたからなど、いくつか理由があるのですが、その他に木質瓦礫が腐食にによって減ったという事実があります。
森林で間伐された丸太をそのまま放置すると、やがて中身がスカスカになってボロボロになっていきます。形を保っている倒木を足で踏んだら簡単にボロッと崩れた、なんて経験がある方もいるでしょう。この2年近くで木質系の瓦礫にも同じ事が起きています。急いで処理しなくても木質系はほっとけば減るんです。
なのに、どうしても広域処理でお金が欲しい人達は腐食で木質瓦礫が減っては困ると防腐剤を散布したんだそうです。新潟もそうですが、自治体によっては受入れる瓦礫を木質チップに限定してるところもあるので、木が腐ったら困るわけです。
丸太でも数年でボロボロになるのに、チップ状の木なんてあっという間に粉状になってしまうでしょう。でもそれはさせない。なぜか。
もうおかしいのわかりますよね。
広域処理の目的が「被災地の瓦礫の量を減らす」から「瓦礫を処理して補助金をもらう」に変わっているからです。
広域処理が「絆」という美しい言葉でカモフラージュした利権だということがよくわかります。
その他にもいろいろ書きたいことがあるんですが、今日もいろいろキ●ガイみたいな話がいっぱいありすぎて頭が回りません。
山本さんのお話はこうして文字で知っていただけるだけでも知らないよりはマシですが、ぜひ直接聴いていただきたい。ブログ読むよりよっぽど危機感伝わります。もっと知りたいことや疑問があれば質疑応答の時間に聞いてみてください。
アホの素人が書くブログはどう頑張っても百戦錬磨の山本さんに敵いませんので。