今朝のニュースで「新潟県が阿賀野市の県営東部産業団地に同団地で2基目となるメガソーラー発電所を建設する方針を固めた」というものがありました。1基目は現在建設中で今年の秋から運用開始の予定、去年の8月に完成した新潟市東区のメガソーラー発電所は現在稼働中で、これで新潟県のメガソーラー発電所としては3つ目になるわけです。柏崎刈羽原発を抱え、中越地震・中越沖地震と2度の大きな地震を近年経験した新潟県として、できれば脱原発をもっと明確に打ち出してほしいところではありますが、少なくとも再生可能エネルギーを推進していく姿勢は評価できると思います。
ただ、私としてはちょっと待ってくれという気持ちもあったりしまして、確かに太陽光発電は再生可能エネルギーの象徴的存在ではあるんですが、それ一本で進めていくだけでは脱原発に辿り着けないんじゃないかと思うんですね。
太陽光発電を導入した、若しくは検討中の方なら太陽光発電システムのパンフレットを一度は見たことあると思いますが、大抵のパンフには日本の地域による発電格差がわかる図や表が載っていますよね。それを見ると実は新潟県はそれほど発電効率が高くない地域だというのがわかります。しかも太陽光発電はお日様依存ですから曇りや夜は発電できずベースロードにはならないため原発推進派のツッコミどころとなっているのはご存じの通りで、この前みたいな晴天続きならバリバリ働いてくれますが今日みたいな雨の曇天ではまるで役立たず。つまり太陽光発電だけいくら増やしてもそれだけで電力を賄うことは不可能なわけです。
そこでよく言われるのは他の発電方法と組み合わせたベストミックスというやつです。
新潟県は海に面していますから波力系発電もいけるでしょうし、信濃川・阿賀野川という大きな川もありますから大規模なダム発電はムリとしても小規模水力発電はまだまだ可能性あるでしょう。温泉だってあるんですから地熱発電もできるかもしれない。太陽光と並んで再生可能エネルギーの代名詞となっている風力発電にしても現状では発電効率や高周波の問題、バードストライクなど課題は多いものの、最近注目の洋上風力発電なら発電効率も上がって高周波の問題もクリアできる。地上のものはあんまり動かない大きなものより、そこそこ動く小・中規模の風力発電の方が効率がいいんじゃないかと素人ながらに思ったりもする。そして、それぞれの長所が他の短所を補うトータルでの発電システムが構築できればそれが脱原発へと繋がるんじゃないでしょうか。
その他にも再生可能エネルギーの研究はこれからどんどん進んでいくわけだし、これだけ再生可能エネルギーの潜在能力が秘められている新潟で太陽光発電ばかりを進めていくのはもったいないんじゃないかなぁと思うわけですよ。
そのためにはやはり発送電分離と総量買取制度は必要不可欠。
これが実現すれば新潟が自然エネルギー推進・脱原発の象徴的地域になるのもありえない話じゃないかもしれません。