3年半

今日で東日本大震災から3年半。

日付的なタイミングで度々同じような記事を書いてますが、その度に前回と比べて復興が進んでるような気はしないし、福島第一原発は収束の目処すら立たないし、ただ時間だけが流れていくだけで、日付の区切りにあまり意味がないように思えてきます。

もう3年半ですよ?

震災直後に小学校を卒業した息子が高1になってるんだもん。

あっという間といえばあっという間だけど、3年半って時間は長いです。

 

この3年半で震災復興や原発事故収束はさっぱり進まないのに、特定秘密保護法とか集団的自衛権とか川内原発の新規制適合とか、進めなくていいようなのはスパスパ決まっちゃって、この国の人たちの頭の中では震災も原発事故もすっかり風化しちゃったんでしょうか。

経済対策の前にまず優先してやることあるだろ!!っていつも思います。

 

昨日のニュースで震災復興住宅が完成したのに入居者が埋まらず空き家があるなんて話がありました。

避難してる方もこの3年半の間に避難先で新たな生活の基盤ができちゃって、もっと前なら入居を希望したけど今さらまた生活基盤を壊して一から出直すのは難しいって方が多いそうです。

単身者ならまだしも、家族がいれば親の都合だけでホイホイと居住地を変えるわけにはいかないですもんね。

こういうのも率先して取り組むべき事を後回しにしてきたツケでしょう。

 

また半年後、4年という節目で同じような記事を書くかもしれませんが、その時には少しでも目に見えて復興や原発収束が前進してくれてることを願います。

 

日本の原子力の新規制基準は国際標準を満たしていない

原発の稼動に賛成の方も反対の方もニュートラルな気持ちで見てほしいです。

泉田知事はどちらかのイデオロギーに偏ることもなく理路整然と問題点を指摘していて、動画は40分近くありますが見れば現在の原発が抱える問題点がよくわかります。

 


泉田知事「日本の原子力の新規制基準は国際標準を満たしていない。第5層がそっくり抜けている…

 

泉田知事がこれまでにも何度も繰り返し述べているように、メディアがよく使う「安全基準」とは正しくは「規制基準」であって、穴だらけの規制基準では適合していても安全とは言えません。

「原発事故は起こらない」という福島第一原発事故で崩壊したはずの神話を繰り返すのではなく、事故は起こるもの、起きた際に住民を守るためにどう対処するのか、それを前提とした基準を作らないとまた福島第一原発レベルの被害は起こり得ます。

 

鹿児島県知事

先日の川内原発審査通過の際に、鹿児島県の伊藤知事は「原発事故の避難計画は半径10km圏内だけで十分、30km圏内までは現実的でなく不可能」と述べました。

福島第一原発事故では30kmを超える地域にも放射性物質は達しています。その事実があるにもかかわらず10kmまででOKというのは自治体の長として危機意識に欠けていると感じます。

再稼動が必要だと言うのなら、30km圏内でも一人の犠牲者も出さずに済む対策をすればいいだけのことで、それが現実的でないと言うなら再稼動も現実的ではないでしょう。

再稼動に賛成の方は国や伊藤知事に泉田知事でも太鼓判を押すくらいの安全対策を取るように働きかけてみてはいかがでしょうか。

 

未来ある子どもたちに残すもの

世論調査

川内原発再稼動の件で、ニュースで街頭インタビューに答えてる映像をいくつか見ました。

画像はこの前のNHK世論調査で、賛成は全体の2割ほどでしかないんですが、メディアとしては公平に賛成・反対それぞれの意見を対等に出すわけで、なんとなく実数よりもイメージで賛成・反対で真っ二つみたいに流されるのはやや違和感を感じます。

そして、思いっきり顔出しで賛成意見を述べてる方もこれってホントなのかなぁと思ってしまいます。いや、賛成なら賛成でそれは個人の意見なんでその意見を否定するって意味ではなく、世論では再稼動賛成が少数で原発に不安を持ってる方が多数の中で賛成の意見を顔出して言うのはなかなか勇気がいるなーと。それに最近は街頭インタビューが放送局の仕込みだったってネタがネットで拡散しまくってるし。ギャラもらえれば魂も売るって人は多いですしね。

再稼動に賛成する人の意見としては、原発が動くことで仕事が生まれる、原発を使わないと電気料金が上がる、などが多い感じでしょうか。

確かに火力発電の燃料代は膨らむ一方で経済的負担も高い。経済界はこぞって川内原発再稼動に期待する声を上げてますね。原発立地地域は原発による経済効果への依存が高く、原発が再稼動してくれれば仕事が増え、雇用が増え、交付金ももらえて、街が潤うのだから、この不景気では尚のこと再稼動を望む声も強くなるってもんでしょう。

でもそれって結局は金目でしょ?って某大臣のような話じゃないですか?

命よりも、故郷よりも、子どもたちの未来よりも、今もらえるお金が大事。

 

・・・・・あの事故が起こるまでは福島第一原発で恩恵を受けてきた方々も同じこと思ってたんですよね、きっと。

私もまさかあんな大規模な原発事故が起こるなんて思いもしてなかったし。

で、結果的に福島第一原発で恩恵受けてた方も、市町村の境界線の向こうで恩恵受けてなかった方も、みんな大変な被害を受けてしまいました。

再稼動に賛成してる方の中には「絶対安全なら再稼動していい」と言ってる方もいましたが、原発に絶対安全はないってことは福島第一原発事故で学びました。

そして原子力規制委員会の田中委員長はこう言ってます。

田中委員長

「安全だとは私は申し上げません」

原子力規制委員会はいったい何を審査してるんでしょ?

安部総理は原子力規制委員会からお墨付きをもらったと言うし、原発立地自治体の知事は原子力規制委員会が安全だと判断したって言うし、原子力規制委員会は安全だとは言わないし。

これって結局、事故が起きても誰も責任取らないってことですよね。

それとも再稼動に賛成した方々が責任持つんでしょうか。

 

原発で仕事が生まれ、雇用が生まれ、街が潤っても、それを一瞬でパーにしてしまうのが原発事故。

そして事故が起きても誰も責任取らず、周辺住民は補償も賠償も受けられずに泣き寝入り。

今の福島と同じです。

これでも川内原発周辺の住民たちは再稼動に賛成できますか?

 

今の時点で動かすかどうかは別にしても、原発は永遠ではなくいずれ終わりが来ます。

原発が終わったら街も終わるような経済ではなく、原発に依存することなく安心して暮らしていける街にしていくのが我々大人が未来ある子どもたちにしてあげられることじゃないかなーって私は思います。

 

川内原発、秋にも再稼働?

九州電力・川内原発1・2号機が新規制基準に合格して秋にも再稼動だとか。

原子力規制委員会の審査に合格したのはそれとして、じゃあそれで原発事故は二度と起きないのか、万が一事故が起きた時に放射性物質の拡散は防げるのか、拡散されるような事故の際には住民は被曝することなく安全に避難できるのか、放射性物質に汚染された周辺地域は速やかに原状回復できるのか、事故が福島第一原発事故レベルにまで拡大したらその保証は誰がするのか、事故の責任は誰が取るのか・・・・・・。

福島第一原発事故によって学んだ教訓は何一つ実行可能なレベルにはないですよね。避難計画だって自治体に丸投げだし、地震・津波・活断層などの判断だって「○百年に一度」とか曖昧だし、原発事故による懸念を考えれば考えるほど、原発を動かせるとはとても思えません。考えすぎるとキリがないって言われるかもしれないけど、原発に「想定外」が一切許されないことは福島第一原発事故によって充分思い知ったはず。

想定されるだけでも懸念ばっかりなのに、どうして再稼動なんてできるんでしょ?

福島第一原発事故はその原因すら特定できず、その総括なしに原発再稼動の議論はできないと、新潟県の泉田知事は再三繰り返し述べています。まったくその通りで、まずそこからやれよって思いますよね。故郷に帰れず、補償も充分でない原発事故被災者が3年経ってもまだいる現状をクリアにすることもできないのに、「再稼動ありき」で物事が進んでいくのはとても理解できるもんじゃありません。

普通に考えれば、福島第一原発事故を見て、自分のところの原発はまだ事故を起こしていないのであれば、あんな大事故が起こる前に原発から撤退しよう、健全なうちに廃炉にしようってことになりません?動かせば行き場所のない放射性廃棄物だって出るんだし・・・・・。

この記事書いてる途中にも福島県浜通りで震度4の地震がありました。この前は福島第一原発のガレキ撤去作業で放射性物質が拡散したって話もありました。汚染水は漏れ続け、凍土壁計画は思うように進まない。この3年4ヶ月、ずっとこんな調子なんですよ?しかもこれがまだまだ何十年と続くんです。

何なら再稼動申請してる電力会社さんは総出で福島第一原発の収束をやってみてはどうですか?原発を稼動させるなら万が一の事故の際にも速やかに収束できるだけの能力は必要でしょ?

それができないなら、結局は原発なんて人間の手に負えるものじゃないってことですよ。

 

滋賀県知事選

昨日、投開票が行われた滋賀県知事選。自民・公明・維新の推薦する小鑓氏を破り、現職の嘉田知事が支持した三日月氏が当選しました。

私はもちろん投票できないのでTwitterやネットのニュースなどを見ながら行く末を傍観していました。

実際のところ、各候補の人柄であるとか支持層がどうなのかとか滋賀県内の有権者の意識とかはよくわからないんですけど、ネットで言われているのはこの前の集団的自衛権行使容認の強行姿勢が「自民党No!」の声を押し上げ、結果として三日月氏の当選に結びついたという意見が多く見られました。

地方自治体の知事選で争点がそれってのはちょっとどうなの?と思いつつ、私的には嘉田知事も嘉田知事の政策を引き継ぐ三日月氏もいろいろ半信半疑な目で見てたりもするんですが、とりあえず自民推薦候補を破ったのは朗報かな、と思ってます。

これで脱原発にも弾みがつくといいんですけどね。

で、この選挙結果がホントに自民への反発によるものなのかはともかくとして、有権者の一票がちゃんと結果を出せるということを示したのも意味が大きいんじゃないでしょうか。

当選した三日月氏が25万3728票、次点の小鑓氏が24万652票、その差わずか1万3000票あまり。投票率が50.15%とかろうじて50%を超えたものの、あともう少し投票率が低かったら逆転していた可能性もあり、逆にもっと投票率が高ければ小鑓氏大敗という結果になっていたかもしれません。

ムードに流されて投票率だけ上がってもそれはそれで逆効果。でも、投票すれば民意は反映される(操作がなければ、ね)。あとは有権者が政党や候補者をしっかり見極め、確かな人に一票投じれば少しずつでも世の中はいい方向に変わっていくかもしれません。

先日辞職を表明したあの号泣議員も選挙で選ばれてるわけですから、有権者の見極める力も高めていかなきゃいけませんね。

安部さん、今頃焦ってるだろうなー。