昨日、7月1日午後9時、大飯原発3号機が再稼働された。
今朝6時には臨界に達し、4日から送電を開始、8日にはフル稼働となる見通しとのこと。
先週金曜日には総理官邸前に20万人(主催者発表)もの人々が「再稼働反対」の声を上げ、土曜日からは大飯原発に通ずる道路で300人もの人が昼夜を通して「再稼働反対」「子供を守れ」「原発いらない」との声を上げていた中、大飯原発は予定通りに再稼働された。
総理官邸前や大飯原発前だけでなく、全国各地で上がる「再稼働反対」の声。
それらに対し何事もなかったかのように行われる愚行。
まるで再稼働に反対する人たちを「めんどくさい連中」のように扱うメディア。
でも、世界は見ている。
デモの様子はUSTREEMで全世界に配信され、マドモな海外メディアはそれを正しく報じている。
福島第一原発事故から間もなく1年4ヶ月。
本来なら原発の再稼働なんかよりもっと急ぐべきことがある。
被災地の復興、高線量地域からの住民避難、福島第一原発の収束、ガレキや食品による放射性物質の全国拡散の防止・・・・今対峙している問題に声を上げずにこれから起こるかもしれない事案に反対の声を上げるのはおかしいとの声もあり、それは否定しない。
しかし、この1年余りで出てこなかった声、おかしいことに対して「おかしい」と言えるようになったのは大きな前進だと思う。
ガレキの広域処理ばかり話を進めて被災地復興の青写真すら描けない行政はおかしいし、
誤った安全基準で線量の高い地域に住民を縛り付けるのはおかしいし、
本来なら集中管理すべき放射性物質を野放しに拡散するのはおかしいし、
安全対策の成されていない原発を安全と偽って稼働させるのはおかしい。
残念ながら大飯原発3号機の再稼働は防げなかったが、多くの人たちが発した声は確実にこの世界を変えている。
昨夜、関電が入れたスイッチは原発起動のスイッチじゃない。
人々の声を抑えるリミッターの解除スイッチだ。
政治家や官僚が変わらないなら国民が変えるしかない。
今週の金曜日、総理官邸前がどうなっているのかは誰も予想がつかないが、先週の金曜日より多くの紫陽花が咲くことだけは確実かと思います。