昨日開かれた民主党の復興ビジョン会合にてソフトバンクの孫正義氏が「自然エネルギー財団」の創設と「東日本ソーラーベルト構想」を提案した。
これはUSTREEMでも生中継され、私も録画で見ました。
約52分あるのでちょっと見るの大変ですけどお時間ある方はどうぞ。
この会合で孫氏は、1.復興支援に向けて、2.原発問題について、3.エネルギー政策の転換、の3点を柱にプレゼンし、最後の3点目「エネルギー政策の転換」で冒頭に述べた「自然エネルギー財団」と「東日本ソーラーベルト構想」が出てきます。
実現性についてはともかく、影響力のある人がこういった提言をするのは非常に良いと思います。プレゼン資料の中で管総理が「(既存の原発について)これまでの安全基準でいいか再チェックする必要がある。」「(原発の新規計画について)白紙から検証をしなければならない。」「原子力の安全性を求めると同時に、クリーンエネルギーに積極的に取組んでいく。」との発言があったと紹介されていましたが、私の記憶には「そういえばそんなこと言ってたかも」くらいのイメージしかなく、それはつまりメッセージとして非常に弱かったということかもしれません。本来であれば管総理自ら強いメッセージ性を持って国民にこういう道筋を示してくれるのが望ましいところ。今後政府が孫氏の提言をスルーしないことを強く希望します。
で、この東日本ソーラーベルト構想、概要としては今回の震災で海水に浸かったり放射能の影響を受けたりして農業ができなくなった田畑に太陽光や風力、地熱などの自然エネルギー発電設備を整備し、既存の原発を段階的に廃炉しながら原子力から自然エネルギーへの転換を図り、それによって被災地での産業や雇用を生みだしていくというもの。
実現には当然のことながら地元の意向もあるだろうし、津波が及んだ地域は原発でなくても再び津波の被害を受けるリスクもあると思いますが、方向性としてはとても理想的です。
また、合わせて太陽光発電の20年に渡る全量買取制度も提案しており、これは実際に数年やってみてわかりましたが現状の余剰分10年買取ではとても元なんて取れませんから実行されれば更に太陽光発電の普及が加速されるのは間違いありません。
あとは技術的な問題やコストなど越えなければいけないハードルは多いのですが、やはり大切なのは道筋を示すこと。
福島第一原発事故が起きた後でも未だに原発必要論を説く人がいて、政府の視線も原発がなくなることを望む人たちより原発がなくなったら困る汚れた人たちの方を見ているような印象があります。
国民が本当に望んでいるのは何なのか。
今なお放出され続ける放射能に怯え、いつトラブルに見舞われるかわからない原発に囲まれ、何万年の先の子孫にまで放射性廃棄物を押し付ける、そんな暮らしを望んでいる人はいないはずでしょう。
孫氏の提言する「国民全員が安心できる社会」の実現に向けて、政府が確かな道筋を示してくれることを期待します。