今朝の新潟日報朝刊の記事で、漫画家の水島新司氏が新潟市に関わる全ての役職を降りたいとの意向を示していることが載っていました。
水島新司氏は6月完成予定の新潟県立野球場の名称に自身の代表作「ドカベン」の名を「故郷の新潟を応援したい」という気持ちで無償で使ってほしいと申し出ていたそうなのですが、年間3000万円の収入が確保できるネーミングライツ(命名権売却)にこだわった新潟県側と折り合いがつかず、結局ネーミングライツはハードオフコーポレーションが獲得し、水島新司氏は善意が無に終わった無念さから「にいがたマンガ大賞」の審査委員長をはじめとした役職を降り、行政と距離を置きたいとの気持ちに至ったそうで・・・・・。
雪国新潟で非ドーム球場の管理に金がかかり、そのための予算を確保するのにネーミングライツにこだわる新潟県側の気持ちもわからなくはないのですが、「ドカベン」という名前の持つ影響力を考えたら年間3000万円以上の宣伝効果が見込めるのは明白。仮に他の球場がドカベンの名称を使いたいということになったら3000万円どころの話ではないでしょう。しかもそれをタダで提供してくれるという願っても無い話を棒に振り、故郷を応援したいという水島新司氏の想いと共に捨ててしまった・・・・。そりゃ水島新司氏がヘソ曲げるのもムリはありませんよ。いや、ヘソを曲げたのではなく、無力感とか不信感とか、そういうものでしょうね。
私も比較的最近似たようなことがあったのでわかるんです。記事を読んで「だよね~」と思わす共感してしまいました。あ、私の場合は野球場とか傑作マンガとかみたいにスケールのデカい話じゃありませんけど。
水島新司氏と同じように私も何かの見返りを求めているわけじゃありません。単にそこの集う人たちが楽しく盛り上がってくれればという思いだけです。あえて見返りを求めているとしたら「じゃあオレたちも一緒に盛り上がろう!」というみんなの気持ちでしょうか。自惚れかもしれませんが私のやってきたことはそれなりに貢献できていたと思っているし、みんなも少なからずそれを必要としていたはずで、水島新司氏にとっての「ドカベン」のように、私は私の時間やスキルやアイディアをその場に提供してきました。しかし、こちらが善意と思っていたことが他の人にも同じように受け取られるとは限らないようで、元々見返りを求めていませんから投げたボールが帰ってこなくてもそれはそれでいいんですけど、何回投げても一向に帰ってこなかったり、時にはボールが爆弾に変って飛んでくることもあったりすると、非常に無力感を感じます。
そして私はそこと距離を置くことを決めました。
愛する故郷と距離を置くのは水島新司氏にとって本意ではないでしょう。私も同じです。
でもねー、あんまり爆弾ばっかり投げられるとさすがにムカつくんすよ(笑)
さて、ドカベンという大きな宝を失った新潟県立野球場の運命やいかに!?