この前、新潟日報がおもしろい調査を行っていました。
全7基が停止している東京電力柏崎刈羽原発が地元経済に与える影響として、無作為抽出の地元企業100社に聞き取り調査。その結果、2/3の企業が原発停止による売り上げ減少は「ない」と回答したそうです。
100社ではサンプルとして少ないような気がしなくもないですけど、過去にあまりない調査なのでこの結果は非常に興味深いですね。
原発再稼動が論じられる際には必ずといっていいほど地元経済への貢献というのが出てきますが、原発が必ずしも地元を潤してるとは限らないということが明らかになったわけです。
そうなってくると、原発で事故が起きたときのリスクと再稼動で得られるリターンを天秤にかけると、このまま再稼動せずに廃炉へ向かった方が賢明ではないかと。
柏崎刈羽原発は停止してもう3年9ヶ月になるそうですが、原発への依存度が高い企業ならこれだけ長い期間稼動してなければとっくに潰れてるかもしれないし、仮に再稼動したとしてもこの先何十年も稼動し続けるわけではなく、いつか廃炉の日が来るのであれば、もっと他に永続的な仕事にシフトしていくのが自然な流れで、既に地元にとっての原発ビジネスは終焉を迎えているのかもしれません。
原発が停止している間に再生可能エネルギーや省エネの技術はどんどん進歩していくし、もはや再稼動する理由は東京電力の自己都合以外になくなってしまっています。
「原発停止で地元経済が疲弊」ってのは作られたイメージってことでしょうか。
それでも今回の調査で「原発を再稼働をしてほしいか」という質問には66社が「はい」と答えたそうで、自分は原発に依存していないのに、地元にとっては原発が動いた方が経済効果があるという過去から続く刷り込みがまだ強いというのもわかります。
街頭インタビューでも再稼動に賛成してる市民を度々見ますが、あれも実態を知った上ではなく、刷り込みからくる「なんとなく」なイメージなのかもしれません。
柏崎刈羽原発については少なくとも泉田知事の任期中に再稼動することはないでしょうから、東京電力にとっては益々分が悪いですね。
新潟で東電の味方するのは銭ゲバ刈羽村くらいかも。
いつまでも原発になんかしがみついてないで、地元は自立できる経済を作っていくべきだし、東電は真っ先にやらなきゃいけないのに後手後手な原発事故被災者救済に取り組むべきでしょう。