昨日は集団的自衛権に抗議していた男性が新宿で焼身自殺を図るというショッキングな事件がありました。
Twitterのタイムラインはその件のツイートで溢れていたんですが、それに対してマスコミは完全スルーあるいは取り上げてもかなり小さめと、かなりのギャップがありました。
自殺を報じる際はいろいろとガイドラインがあるらしく、マスコミもどう対応するか判断に迷うところもあったのかもしれませんが、それにしてもどこか「国民に知らせたくない」という思惑が働いたのではないかと邪推せずにはいられません。
政権批判としてはデモや集会よりとんでもなくインパクトが強いですもんね・・・・・。
もちろんいかなる理由があれど自殺はしてはいけないし、この男性を英雄視したり美談化したりするつもりはありません。現時点では一命は取り止めたとも聞いていますが、死に至るかどうかは別として、こんなやり方は家族や友人・会社関係にも迷惑をかけるし、救助活動を行った消防隊員の命にまで危険が及ぶかもしれない。何より親から授かった命を自ら絶つというのは絶対に許せるものではありません。
しかしだからと言って迷惑な中年男性の身勝手な行為、と片付けられるものでもない。
そこまで追い詰められたこの男性の訴えには耳を傾けなければいけないし、特に政権与党の自民党・公明党党員は自分たちがしようとしていることが国民を追い詰めているんだということを認識しなければなりません。
マスコミも模倣する人が続かないように報道を制限するのは必要かもしれませんが、ワイドショーのコメンテーターが軽い出来事であるかのように無責任なコメントを発してるのは虫唾が走るし、少なくとも事実は事実として報じて、こういうことが起こった事実を重く受け止めた伝え方をしてほしい。
21世紀のこの日本で政府に抗議するために焼身自殺を図る人が出るなんて、私は非常にショックを受けたんですけど、この件と同時に焼身自殺を図っている人を群集が携帯で写真や動画で撮り、それをネットにアップしてるというのが非常に怖く思いました。周りの人が何かできるわけじゃないかもしれないけど、人の命がかかってる現場でそれを写真に撮るって感覚・・・・・すごく怖いです。
集団的自衛権にしても、この解釈変更を許せば時と場合によっては自分や自分の家族が戦場に駆り出され、自分が人の命を奪うという行為を実行することになるかもしれない、あるいは自分が戦場で命を落とすかもしれない、そういう事態にリアリティを感じられない人たちは集団的自衛権の問題にもあまり関心を持たず、焼身自殺の現場を平然と写真に収めることができるのかもしれない。
世の中が怖い方向へ向かってますね・・・・・。