昨日のニュース
除染の目標値“倍に引き上げ”を協議(日本テレビ系(NNN) 6月6日(金)21時46分配信)
原発事故からの復興の前提となる除染で、達成すべき空間放射線量の目標値について、環境省と地元の自治体がこれまでのほぼ倍に引き上げる新たな方針を協議していることが分かった。
環境省は、除染の後の空間放射線量を毎時0.23マイクロシーベルト以下とする目標値を定めている。ただ、一部の自治体からは、「達成は難しい」と、より現実的に見直すよう要望も出ていた。このため環境省は、目標値をこれまでのほぼ倍の毎時0.4~0.6マイクロシーベルト前後に引き上げる方向で、自治体と協議を進めていることが分かった。
環境省などは、毎時0.23マイクロシーベルトを上回っても年間の追加被ばく線量である1ミリシーベルト以下に抑えられるとして、今月15日にも、自治体を集め、目標の引き上げについて話し合うことにしている。
なんでしょう、これ。
現時点では「協議」であって決定ではありませんが、聞いて「はぁ?」と思いました。
私自身は以前から除染の効果については懐疑的ではあるんですけど、除染そのものを否定しているわけではありません。やって線量下がるならやるのがベターだし、半減期待っててもウン万年かかるんだから必要に応じてやるべきところではやるべきでしょう。
でも、達成が難しいから目標値を変えろってのは意味がわかりません。
これ、完全に目的と手段を履き違えてるでしょ。
除染をするのはあくまでもそこに暮らす住民が安心して暮らせる環境を取り戻すことが目的であって、除染はその手段の一つに過ぎません。そして除染の効果を確認する目安として目標値があり、その目標値は安心して暮らせるレベルでなければ意味がない。目標値を変えて形式上「達成」とするのは除染の目的が目標値達成そのものでしかなく、住民の安心・安全という本来の目的を無視する暴挙と言っていいでしょう。
安心できるとして設けた目標を達成できないならそこでの除染は諦めて住民を避難させるべきではないんですか?
効果の出ない除染に税金をつぎ込むくらいなら、その金を避難や移住への補償に当てたらどうなんですか?
もう3年以上が経ってるんですよ?3年経って今さら目標を達成できませんなんて言われて住民は納得できるんでしょうか?倍になった目標値を達成したら住民は納得するんでしょうか?
なんとなく世間の空気的には福島第一原発はとりあえず危機的状況を脱してるような印象が与えられていますが、3年経った今でも福島第一原発からは大気中に放射性物質が放出され続けています。
雨漏りしてるお宅でビショ濡れになった部屋の中をいくら拭き掃除しても意味ないのは子どもでもわかること。まずは雨漏りを直さなければその先には進めません。大工さんが来るまで水びだしの部屋で寝ますか?
結局泣きを見るのはいつも罪のない一般市民。事故当事者は何をしてるんですか。
行政も何を一番優先させるべきか、そこの認識を改めてから除染するかどうかを判断していただきたいものです。