スタジオジブリが毎月刊行している小冊子『熱風』の7月号がPDFで緊急配信された。
7月号では現政権が強い意欲を持って進める「憲法改正」が特集。品切れの取扱書店も多く、入手困難な状況を鑑み、特集の原稿4本(以下参照)を全文緊急配信することを決めたとしている。ダウンロードは無料、配信期間は8月20日18時まで。
ということで、この前からネットで注目集めていた宮崎駿さんらが憲法改正について書かれた原稿がPDFで読めます。期間限定配信(明日の夕方まで)なので興味のある方は早めにDLしておきましょう。
非常に興味深く読ませていただきました。
宮崎駿さんや高畑勲さんは幼少期に戦争を体験した世代、私の両親も同じくらいの世代でウチの両親は私に戦時中の話をすることはほとんどありませんでしたが、この原稿にしても、この前読んだ「永遠の0」にしても、戦争をリアルに体験した方々の言葉ってすごく重たく感じます。
空から爆弾が落ちてくるとか、目の前に焼け焦げた死体が転がってるとか、戦争を体験していない戦後生まれの世代にとってはまるで映画の中の世界。いや、映画なら多少残忍さがデフォルメされることはあっても、その時代を生きた人たちは肉眼でそれそのものを見て、火薬や血の臭いを自身の鼻で感じ、家族や親戚・知人・友人を殺されるという悲しみを味わっているわけです。頭の中でいくら想像してもその原体験ってのはリアルでしかわからないんじゃないかと思います。
そういう狂気の世界を潜り抜けてきた人たちにとって、やっぱり憲法9条ってすごく大きなものだと思うんですよね。我々世代以上に。
そしてその世代の方々が「9条は変えちゃいけない」って言うわけですよ。
それって何も特別なものじゃなく当り前の感情じゃないかと思うし、戦争を知らない我々世代が先人の体験・経験を伝え聞きして、同じように「9条は変えちゃいけない」って思うのも特別なもんじゃないと思うんです。
高畑勲さんの言う「憲法第九条を常に積極的にアピールしていくべき」
鈴木敏夫さんの言う「9条 世界に伝えよう」
昨日の記事でも書いた三宅洋平さんの掲げる「憲法9条を世界遺産に」
戦争を体験した人も、戦後生まれの人も、同じ事を言ってる。
なんで?願いは一緒だからじゃない?
なのに一方で9条を変えるべきって考える人もいて、そういう意見もあっていいとは思うんだけど、変えたい理由をオブラートに包んでハッキリ言わないし、むしろアメリカの下僕になりたいとか世界征服したいとかそういう本心があるならハッキリ言えばいいのにそれでも言わない。変えちゃいけないって思う人はちゃんとその理由を話してるのにね。そんなんじゃ議論のテーブルにすら乗らないし、疑心暗鬼が深まるだけでしょう。
えぇ、戦争したいから9条変えさせてくれって言うならもちろん反対しますけどね。
ジブリが「作品中にそういう想いを盛り込む」という形ではなく、どちらかと言えばあまり積極的ではなくさりげなくメッセージを発してたのは知っていたので今回の原稿を読んでも特に意外性とかは感じなかったけれど、自民党の皆さんみたいに軍国主義への回帰を願うじぃさん(失礼)ばかりじゃないんだって、その点はちょっと安心しました。
でも、できれば選挙期間始まる前に配信してほしかったかな(笑)
自公連立の政権は、昔に逆戻りする政治をするのがわかりきっていますが、『昔はよかった』なんて言ってる老害ジジィ共がそれにつられて投票しようとしてるのが本当に情けないしダサい。まぁ、しかし、そういう人達が生きてきた日本であるということは間違いないし、じゃあ、逆に若い人たちがどれだけ日本に貢献してるかと言われれば、形の無い物ばかりの金儲けばかりで働きもせず、まぁ、若い世代もクソみたいな人間は確かに多いが、これからバトン引き継いでいかなきゃいけない世代はもっと真剣に考えるべきですね。
あと10年20年で戦争を経験した方はほとんどいなくなってしまうわけですから、聞けるうちに貴重な体験やその想いは聞いておきたいですね。