子どものケンカ

新潟県の泉田知事と瓦礫受入市長の確執がどんどん泥沼化してきました。

 


東日本大震災:がれき埋め立て、知事「殺人に近い」 柏崎、三条市は作業継続 /新潟(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130215-00000119-mailo-l15

東日本大震災で発生したがれき(木くず)の本格受け入れと埋め立てを柏崎、三条両市が始めたことに対し、泉田裕彦知事は14日の定例記者会見で「健康被害を受ける人が出ると傷害。それによって亡くなれば傷害致死と言いたいが、分かっていてやったら殺人に近い」と強い表現で批判した。これに対し会田洋・柏崎市長は「感想はありません。粛々と(がれき受け入れによる)被災者支援を進めます」。三条市は「市長が海外出張中でコメントできない」とした。

両市は共に12日に本格受け入れを開始。柏崎市は13日、三条市では14日から、最終処分場で焼却灰の埋め立て作業を始めた。泉田知事は12日に「焼却灰をずさんな管理で埋却を進めることは将来の世代への犯罪行為と言わざるを得ない」と批判する文書を公表した。14日は記者から文書の「犯罪行為」について説明を求められた。

柏崎市と三条市はそれぞれ、年間約2万4000トン、4万5000トンのごみを焼却処分している。これら日常ごみの焼却灰も、放射性セシウムを含んでおり、濃度は1キロあたり約20~80ベクレルだ。

これに対し両市が受け入れる震災がれきはそれぞれ計約110トンと145トンで、年間焼却量の数百分の1。昨年の試験焼却で測定された灰1キロあたりの放射性セシウム濃度は、約34ベクレルと24ベクレルで、日常ごみの灰と同程度だった。

両市はこうしたデータから「がれきの焼却灰は放射性廃棄物でなく一般廃棄物だと認識している」という。
県の担当課職員は知事発言について「こちらとしては言うべき言葉がない。担当課レベルではなく知事のお考えだと思う」と困惑を示した。【宮地佳那子、高木昭午】

◇長岡市、がれき19.5トンの荷降ろし 周囲の線量基準値内

一方、東日本大震災で発生した岩手県大槌町のがれき(木くず)を18日から本焼却することを表明した長岡市は14日、同市の焼却施設「栃尾クリーンセンター」で震災がれきの荷降ろし作業をした。

がれきは新潟市が住民の抗議行動で受け入れを断念した約19・5トン。前日までに新潟市から施設敷地内への搬入は済んでいるため、この日は大型土のう袋に小分けされたがれきを、業者がフォークリフトを使ってトラックから降ろし、施設の建屋に保管した。

地元反対住民の姿はなく、予定通り作業は終了。周囲の空間放射線量は1時間当たり0・05~0・06マイクロシーベルトで、国の基準値内だった。市の担当者は「線量も試験焼却と同程度で問題はなく、本焼却の準備は整った。安全性を理解してもらうために、今後も情報公開をしていきたい」と話した。【湯浅聖一】

2月15日朝刊


知事、怒り爆発「殺人に近い」…震災がれき焼却(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130214-OYT1T01391.htm

新潟県柏崎市と三条市で始まった震災がれきの本格焼却について、泉田裕彦知事は14日の記者会見で、「亡くなる方が出れば傷害致死と言いたいが(放射能の危険性を)分かっていて(埋却を)やったら殺人に近い」と述べ、両市の対応を改めて厳しく批判した。

12日にも両市の対応を「犯罪行為」とやゆした知事。この日の記者会見では、「未来に対して責任を持てるのか」と怒りを爆発させた。

三条市の国定勇人市長が知事の姿勢を「独裁」と批判している点については、「意見を言うなというのか。言論封殺をしろというのか。住民の声を聞か ずにどんどん(埋却を)進めることを独裁と言うのではないか」と反論。さらに「国定氏は将来は(新潟に)住まないと考えているのですかね」などと名指しで 非難した。


 

泉田知事の発言に対して、三条市の国定市長はブログで以下のように知事を挑発しています。

 


華麗なる伝え手、華麗なる応援団: 三条市長日記
http://kunisada.seesaa.net/article/322094845.html

※前半省略

さて、昨日、我々の震災廃棄物の広域処理の開始を受けて、本県知事がコメントを発表したようです。

ついに、“犯罪者”呼ばわりですねっ!!!

いやはや、何と申し上げるべきか…

失礼ながら、これまで同様の“駄々っ子の物言い”の延長線上(これまでの発言も知事という名を貶めるものが目立ちましたが…)にあるものとはいえ、いささか行き過ぎの感がありますねぇ。

本県知事殿は、都道府県と市町村とが対等の関係にあること、我々市長もまた知事と同様有権者によって選ばれた立場にあることをお忘れになられているのではないでしょうか…

昨日の上京でもまた、某国会議員に本県知事の立ち居振舞いを笑われてしまいました…(昨日のコメント入手前の上京であってもですので念のため…)

まぁ、発言内容の異常さから見ても、特段コメントすることもないかと思いますが、①我々は我が国国権の最高機関である国会で可決された法律の、日本国のルールに則って粛々と処理していること、②その上でかつ、震災廃棄物の広域受入れを行っている数多ある市町村の中でも放射性物質に関しては(本県知事殿の叫びを十分考慮する中で)厳格なルールを適用していること、③新潟県内の通常の廃棄物(焼却灰)からも同等のレベルの放射性物質が検出されており、それでもなお岩手県の廃棄物を特別扱いすることは差別的な取扱いを本県がしていると受け止められかねないこと、といった、ごくごく常識の範囲の事柄を改めてご確認いただければと存じます。

私自身も“他山の石”として、我々政治職にある者の本来あるべき節度ある意見、主張が、“駄々っ子の物言い”とならないよう、自らを強く戒めてまいりたいと思います。


 

これら一連の知事vs5市長のやりとりは昨日の新潟日報朝刊でもある識者(って誰よ?)が「まるで子どものケンカ」と揶揄していて、私も「殺人」という表現まで用いたのは県知事のコメントとしてはやや過激かなと思わなくもないんですが、言ってること自体は正論だと思います。

じゃあどうしてここまで泥沼になったかと言えば、以前から一貫して放射性物質管理の安全性について苦言を呈していた知事に対して、国定市長をはじめとした5市長がノーテンキだからです。

あれだけ言っても聞く耳持たずじゃ知事じゃなくても怒るでしょ。国定市長が子どもみたいな対応しかしないから子どものケンカのようになってしまう。あとは口で言ってわからないならゲンコツしかありません(私だって許されるなら国定市長をボコボコにしてやりたいくらいムカついてるし)。

国定市長のコメントを読んでると、Twitterで粘着してくる工作員と同じニオイを感じます。一見、理路整然としているように見えて実は子どものいいわけレベル、みたいな。

「国が安全って言ってるんだから安全ですっっ!!!」

まぁ子どものいいわけレベルなのは仕方ないにしても、せめて知事が前から指摘してる原発敷地の中と外で安全基準が逆転してる状態についてもう少しマトモな返答してくれないと、議論のテーブルにすら乗りません。

原発内では100ベクレル/kg以下の廃棄物もドラム缶に入れて厳重管理なのに、原発の外に出たら食べても安全・燃やしても安全・埋めても安全って、子どもでもおかしいってわかるでしょうに。

それら安全性を蔑ろにして、廻りの助言も聞かず、権力で市民の安全を脅かす国定市長こそ「独裁者」じゃないですか?

それでも反対を押し切って「絆」の名の元に瓦礫焼却を行うというのであれば、焼却に関する補助金なんか受け取らずに市の予算でやればいい。ただでさえ他より10倍も高い単価で焼却してるのに、その上13億円も国民の税金から拠出される補助金受け取っておいて「絆」だなんてよく言えるものです。助け合いならば無償奉仕、最低でも必要経費の実費のみでやるべきで、それ以上のお金を受け取ってすることは「ビジネス」以外の何物でもありません。

三条市民はコレ知ってるんでしょうか?

 

で、昨日は知事発言のニュースがYahooのヘッドラインにも載っちゃったもんだからTwitterでも泉田知事をバッシングするツイートが結構ありました(もちろん支持するツイートもいっぱいありました)。

私は泉田知事がいたからこそ、新潟がこんなもんで収まってると思いますけどね。

新潟市で試験焼却止められたのも、市民の地道な活動と共に知事の牽制があったからじゃないですか?

東京や大阪みたいに知事も市長もアホだと問答無用に汚染拡大なのに。

知事を叩いている方々は数年後に後悔することにならなきゃいいですが。

 

そしてこの件については山本節子さんもブログで綴っています。

がれき処分は「殺人に近い」 | WONDERFUL WORLD

はっきり言います。がれきを燃やし、埋めることは(現地でも)、環境犯罪、基本的人権の侵害、各種環境法令違反、従って憲法違反、刑事罰に価する傷害罪です。「新潟水俣病」を体験した新潟で、住民のリスクを高めることが明らかな汚染事業を進めていいはずがない。

それ以前に、「公害防止協定」を踏みにじっているのが国定三条市長。彼は、自分には契約を無視する権力があるとでも思っているのでしょうか。特別公務員法違反に問われるはずですが。

 

三条市民はコレ知ってるんでしょうか?

 

三条・長岡・柏崎の市民は2/19の山本節子さんの講演会で目を覚ましてください。

泉田知事と国定市長、どっちが子どもかよくわかるはずです。

原発も放射能もいらない 【長岡市】山本節子さん講演会

 

5件のコメント

  1. http://myup.jp/tWGgwMFI
    2012.10/18 撮影
    三条市の試験焼却 10/11-10/12
    三条の焼却炉から直線距離で約30?の新潟市で撮影
    春に咲いた、桜が秋にまた咲く。花びらも、奇形。
    因果関係は、わからないですけど。
    十年近く見てきて、初めての出来事。

  2. 画像が見れないみたいなんで何とも言えませんが、試験焼却直後でいきなりってのはないんじゃないですかねぇ。
    ソレ系が原因であれば、福島でも草花の異常は数多く報告されているのでフクイチ由来かもしれません。
    或いは汚染された一般ゴミの焼却によるものか・・・・。
    まぁ、ソレ系が原因と特定できませんけどね。

  3. 思うんですけど

    こんなことでどーすんのって感じですね。

    未だに行方不明者の捜索とか

    死者の確認とか

    被災地の都市計画とか色々問題山積してるのに

    『絆』だとかなんとか

    『殺人的行為』だとかなんとか

    こんなんで

    日本の未来どうなるんですかね

    まぁ、色々な被害

    原子力を含め

    問題点が表に出たことは

    東日本大震災があって学ぶことができた

    貴重な体験とも言えるが

    醜い人間の争いも露呈した

    原子力の恩恵にあった人々も

    態度を真逆に変えたり

    私は原子力の専門でないから

    誰がどんなこと言っていても

    信用するには至らないが

    確実に

    原子力のせいであっても

    そうでなくても

    病気や奇形が出れば原子力のせいだと

    いうことになるでしょう

    元々、それだけ危険な物なのですからね

  4. 13億ももらって145トンの瓦礫を燃やすより、その13億で未だ仮設暮らしの方々を支援する方が先ではないかと。

    今ごろ言っても仕方ないことですが、初動から優先順位を間違えてましたね。

  5. 初動誤れば、ずっとその修正は難しいものです。
    絆って言うなら無料でやってみろって思いますがね。
    そのお金はどこへ行ったのやら。

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