この前たまたま読んだ雑誌で見ましたが、原子力発電所内には自前の焼却施設があるんだそうです。原発内で使用した防護服やマスクを処理するためだそうです。放射性物質の付着したゴミは一般のゴミには出せないので当然ですね。福島第一原発でも収束作業で溜まり続けていた汚染ゴミを焼却するために焼却炉を増設するなんて話もありました。
原発内の焼却施設では放射性物質が漏れ出さないように煙やガスを複数のフィルターを通して濃度を充分に下げた状態で大気に放出されるのですが、読んだ雑誌の解説では、そのフィルターはまさに放射性物質を取り除くことを目的とした高性能なもの(ホントかどうかわからんが)だそうで、当然一般のゴミ焼却施設のフィルターとは性能は比べものになりません(のはず)。
対して、これから震災瓦礫を受け入れて一般ゴミと混ぜて焼却しようとしている新潟市の亀田清掃センター及び新田清掃センターにはバグフィルターと有害ガス除去装置が備えられており、市の説明ではこれらの排ガス処理により放射性セシウムは99.92~99.99%除去できるとしています。
んっと、
だったら原発内の焼却施設もバグフィルターでよくね?
バグフィルターを製造するメーカーはバグフィルターで放射性物質を取り除くことはできないと回答しています。故に原発内の焼却施設ではバグフィルターではなく専用の高性能なフィルターを使っているわけです。
んっと、
だったら亀田と新田にも原発と同じフィルター使わないと漏れるんじゃね?
さて、こちらは先日練馬区で測定された放射線量です。
地上1mの空間線量で1.93μSv/h。近くには学校や病院もあるフツーの住宅街ですよ?しかもウランまで検出されてます。去年3月に降下した分だけでも相当なのに、瓦礫を燃やした結果がこれです。このポイント以外がそれほど高数値でないということは測ったポイントにはいわゆる「黒い物質」があるのかもしれません。もしこの地域全体的にこれくらいの数値が計測されるのであれば当然長期に居住することは賢明な判断ではないでしょう。
さらに最近は阪神淡路大震災の瓦礫から飛散したアスベストによる中皮腫の発症例も報告されるようになりました。当然、東日本大震災で発生した瓦礫にもアスベストが含まれている可能性はあります。アスベスト以外にもダイオキシンやヒ素なども含まれます。放射性物質についても測定されているのはセシウムだけで、プルトニウムやストロンチウムなどは測定自体行われていません。
阪神淡路大震災から17年以上経過した今でも、まだ新たな問題が出てくるんです。詳細な調査・計測もしないまま、瓦礫が安全だなんて誰が言えるんでしょう。新潟市は市民がこれらの問題を指摘しても曖昧な返答しかしません。ウヤムヤなまま試験焼却を行い、強引に本焼却に持っていこうとしています。
福島第一原発事故で膨大な量の放射性物質が放出されてしまいました。それらを全て回収することは現実的に不可能。結果、多くの方々が故郷を奪われました。しかも事故を起こした当事者は補償も賠償も謝罪も誠意を持った対応などしません。放射性物質を含んだ瓦礫を焼却するということは、福島第一原発事故と同じようなことを自ら繰り返すようなものです。亀田・新田両清掃センター周辺だけの問題ではありません。福島第一から遠く離れた関東まで放射性物質が降り注いだように、清掃センターの煙突から市内全域に放射性物質がバラ撒かれるのです。もちろん焼却灰の埋立地からも漏れ出し、土壌も汚染されます。練馬区の1.93μSv/hも決して他人事ではないんです。
取り返しのつかないことになってからでは遅いのです。
総理官邸前で行われていた小さなデモが大きなうねりとなったように、小さな声でも一人一人が問題に向き合って声を上げればきっと変わるはず。
いや、変えなくては。
子供たちの未来を守るために。