福島市大波地区の農家1戸が生産した玄米から、国の暫定基準値(500ベクレル/kg)を超える630ベクレルの放射性セシウムが検出されたとのことで・・・・。
正直、いずれ出るだろうとは思っていました。
今回検出されたコメは出荷前だったのがせめてもの救いでしょうか。
いや、自主的に検査を依頼した正義感あふれる生産農家がいたことが一番の救いかもしれません。
当然、正義を貫くことで出荷停止になった生産者を責めるのは筋違いで、元凶は言うまでもなく東電なのですから、東電は農家に対して早急にしかるべき保障をしなければいけません。
しかし、コメに限らず、また福島産に限らず出荷済みの食品でも500ベクレル超が検出されるのは珍しくなく、福島県産の農産物は今年はおいしいのが安く買いたたけるということで外食産業界では引く手数多という話だし、ザルのようなサンプル検査で安全宣言を出されても、市場に出回っている食品や飲料の全てが暫定基準値以下とは限らないのが現状。3.11以降ウソの上塗りを繰り返してきたおかげで発表される数値の信憑性すら疑わしい。
こういうことが続くと食への信頼は失墜するばかりで、これでは生産者の支援どころか、いずれ今まで食べて応援していた人や外食産業からもソッポを向かれ、最終的に救済されるべき生産者にツケが回ってくることになりかねません。
繰り返しますが、悪いのは生産者ではなく、放射能を撒きながら支援も救済も保証もしない東電です。
汚染された地域では生産をやめて除染が済んで生産が再開できるまでは3.11以前の収入を東電が保証、また生産した場合でも通常価格で東電が買い取って流通させずに責任持って処分するのが妥当ではないかと私は思います。
それをしないのはもちろんコストがかかるからで、東電は生産者の生活や消費者の健康よりも金を優先しているということ。先日記事で書いたフォード・ピント事件と同じです。そして本来であれば誰よりも率先して県民を守るのが使命であるはずの鬼畜知事や政府はそれを後押ししているのです。
被害者が加害者になったり、被害者同士で争ったりすることがあってはならない。
本当の加害者は誰なのか、責任を取るべきなのは誰なのか、それを見誤らないように我々国民は声を上げていくべきではないでしょうか。
そして・・・・そもそもこの500ベクレル/kgという暫定基準値は本当に安全なのか。
東北文教大の松田教授のコメントでは
【食料生産者の皆さんへ】
国の暫定基準値の500Bq/Kgは全面核戦争に陥った場合に餓死を避けるためにやむを得ず口にする食物の汚染上限です。もしも放射性セシウム137が500Bq/Kgも含まれた食品を3年食べたら致死量に達します。全てが基準値ぎりぎりではないとしても重複内部被曝を考えれば政府の暫定基準値では10年後に半数以上の国民が致死量以上に内部被曝する可能性が95%を超えます。つまり暫定基準500Bq/Kg未満で安全宣言すると言うことは、その食品を食べた人が 10年後に半数は死亡してもかまわないと言っているのと同じだと言うことを忘れないでください。
追記、500Bq/Kgでやむを得ず食べる場合の期間は3ヶ月とされています。全面核戦争で食べ物がない場合の基準が規定の2倍の期間も放置されています。
とあります。
つまり、500ベクレル/kgは餓死を避けるために最大3ヶ月はやむを得ないがそれ以上は危険だよ、ということで、全然安全なんかじゃないってことです。
じゃあどれくらいなら安全なのか。
中部大学の武田教授の意見では
「水道局の水道の基準は10ベクレル以下。食品の場合は20が妥当です。原発事故前は20だったものが突然500でもいいとなるわけですから、普通に考えたらおかしいんです。100台、200台のものが安全だとして売られていますが、事故前の考え方だと白血病になる可能性がある。(WHOの資料を元にした主張は)核戦争の倫理措置に近づいていますよ、ということですね」
とのこと。
ちなみに京都大学の小出氏は3.11前の平時はコメでは1ベクレル/kg程度だったと言ってたように記憶しています(うろ覚えで申し訳ない、違ってたらご指摘ください)。
さすがにこれだけ放射性物質がバラ撒かれた現状で1ベクレル/kgというのはムリだと思いますが、少なくとも500ベクレル/kgという殺人的な暫定基準値は見直すべきだと思います。