この不況で企業が使う広告費が抑制されてテレビや紙媒体はかなり大変な状況になっていると聞きますが、その反面、費用対効果の高いホームページやインターネット広告は今後も伸びていくだろうという話も聞きます。
確かにそりゃそうです。誰が見るかわからない不特定多数に対してのテレビCM1本なんかに比べてWebは格段に安く上がりますから。
しかし、だからと言ってホームページを作ればいい、リスティング広告を出せばいいってコトではありません。どんな広告・宣伝でもそうですが、しっかりとしたマーケティング調査・戦略がなければ安い広告費ですらムダになりかねません。
もうずいぶん前、リーマンショックよりももっと前の夏頃だったと思いますが、とある方から新サイト立ち上げのご相談を頂いたことがありました。
サイトの内容は「出会い系」。まぁ出会い系と言っても真剣に結婚を考えている人たち向けで、いわゆるカラダ目的のエロサイトとは趣旨が違うのですが、大きな括りとしては出会い系と言っちゃってもいいんじゃないかと思います。その時点で「これは・・・・」と思ったんですけど、その方は数年前に同じようなサイトで大儲けした人からの影響をすごく受けていて、勤めていた会社も辞め、「これは絶対いける」と蓄えのほぼ全てをそのサイトに注ぎ込む勢いで、考え直す余地はなさそうな感じです。
これは典型的な「自分のビジネスプランに酔ってる」パターンです。「絶対いける」という根拠の無い自信でいっぱいになっちゃってるんですね。
一応、その方のプランとしては
●結婚相手を真剣に探している人に限定。エロ目的は完全排除。
●料金は固定の月額会費制。アポの度に追加料金を取ったりはしない。
●全都道府県のラジオ局、および地方紙で広告を出す。
ということなんですが、コレでうまくいくと思えます?
ネットが普及する前の遥か昔から結婚相談ビジネスは既にあったし、現在も同じ趣旨のサイトは腐る程あります。Yahooパートナーとかgoo恋人探しとか大手ポータルですらそういうサービスを展開しているってのに、そこにゼロから新規参入しようと考える方が無謀です。しかもライバルは真面目なサイトの他に無数にあるエロサイトも含まれるワケですしね。宣伝にしたってラジオで1回CM流したくらいで登録者が増えるとは到底思えませんから、それなりの予算を組んで何回も流さないとムダに終わるのは目に見えています。
で、ホントは計画撤回して欲しかったんですが、忠告もしても完全に聞く耳持たないので、せめて全国じゃなく地元限定にしたらどうかとアドバイスしました。
オンラインショップなら全国ドコでも関係ありませんけど、結婚相手となれば北海道の人がわざわざ沖縄の人を選ぶというのは普通はありません。リアルで会えることが前提となります。それならば実際に会える距離にいる会員を集中して集めて他と差別化した方が会員の絶対数は少なくてもニーズとしては高まるんじゃないかと。競争の激しい東京・大阪を外せばライバルは格段に減りますしね。SEO対策も「●●県 結婚」とか「●●市 出会い」とかのように地域名を含めれば上位表示はそれほど難しくありませんし、リスティング広告だってクリック単価は格段に安くなるはずです。それでもしサイトが軌道に乗ったら各都道府県別に同様のサイトを追加していけばいいだけのこと。最初から47都道府県全部をカバーしようとムチャをするより手間はかかってもよっぽど効率的でしょう。
しかし・・・・予想通り私のアドバイスはスルーされたので、サイト制作のご依頼はお断りしました。
いくら仕事でも頓挫するのがわかってるサイトを作って御代だけ頂くなんてのは本意じゃないですからねぇ。
その後、他の業者で作ってサイトは立ち上がったと連絡がありましたが、長くなったのでこの続きはまた後日・・・・・。
お疲れ様です!!
以前、D-Styleさんとお会いした時にお話した事ですが、僕の所にも同じ様な案件がありました。
その方は完全に地域限定・年齢限定という形で他とは差別化してなんて感じで進めていましたが・・・
ご存知の様にこの手のサイトは法律面とか難しい所があったり、口コミ等での普及の仕方もあるけど広告等の露出の部分も捨てられないので運営は難しいんですよね~!
何より運営者さんの「主観」の部分が大きすぎてサービスを提供する時に必要な「客観性」が皆無でした・・・・
システム構築の時に結果的に色々と「後出しじゃんけん」状態になったりして某CMSをインストールしただけでお断りした案件でしたが・・・類似した案件って多いモノですね~!
すいません・・・長々と・・・
この続きは今度お会いした時にでも!!
「客観性」、非常に大事ですね。
私も良いと思ったアイディアをヨメさんや友達に何回ダメ出しくらったことか・・・・。
冷静なアドバイスをくれる人がいるというのはそれだけで財産ですね。