金融庁が人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書なるものをまとめ、それによれば、男性65歳以上・女性60歳以上の夫婦で年金に頼った生活設計だと毎月5万円の赤字が生じ、65歳から20年(85歳)生きるとした場合は夫婦で約1300万円、30年(95歳)だと約2000万円が必要になるというのです。
えーと、そもそも年金制度の目的って何でしたっけ?
この報告書を要約すれば「もう年金はアテにならないから自分で貯蓄してね」ということ。
これを聞いたら多くの人は「じゃあ年金はいらないから今まで収めてた保険料返してください」と思うでしょう。
現実問題として今でも年金だけで生活できない高齢者がたくさんいるってのに、その上2000万円も貯められる人ってどれだけいるんでしょう?現役世代だって給料上がらないのに税金やら諸々の負担は増えるしでそんなに余裕をもった貯蓄ができる人って結構限られるんじゃないかと思います。
年金については前々からこれからの世代は収めた額より受け取る額が少なくなるというのは言われていましたが、この報告書は既に年金制度が崩壊してると言ってるに等しく、あとは自分で何とかしろというのは責任放棄でしかありません。しかも我々が収めた保険料を原資にアベノミクスを偽装するために株を買い支えしたり、アマチュアレベルの運用して大損したり、保険料の扱いも納付者である国民のことをまったく考えていません。
よくこんなこと言えたな!(笑)
現在の年金制度のベースとなった労働者年金保険が始まったのが第二次世界大戦中の1942年。制度として成立するかどうかより戦費調達を目的とした見切り発車だったという話もありますが、終戦、そして後の高度成長期を経て現在の年金制度となっていくわけです。しかし、戦後しばらくの間は人口ピラミッドが▲の形をしており、多くの若者世代が少数の高齢者を支えるという仕組みが成り立っていたのが、近年の少子高齢化によって人口ピラミッドが▼になってしまい、年金支給額はどんどん下がり、そしてついに崩壊を迎えてしまいました。
年金制度の根本的な考えとしての「現役世代の保険料で退職世代の支給額を賄う」という発想がそもそも悪く、70年前に今の人口構成を見通せなかったのは仕方ないにしても、人口ピラミッドの形が崩れたら成り立たないのは容易に想像できることで、単純に「払った分だけあとで貰える」という仕組みにシフトできなかったのは国の怠慢ではないでしょうか。
私も以前から年金はあまりアテにはならないと思っていて、途中で支払うのやめようかなと思ったこともあったんですけど、途中まで払ってやめるのももったいないと一応今でも払ってはいます。自営業故に退職金というものがありませんので、個人年金や企業共済等でも備えてますけどね。
今年ハタチになった息子も当然年金の保険料支払いが始まったわけで、大人・親としては一応国民の義務なので払うべきだとは言いましたけど、本音を言えばどうせ保険料払ったところで収めた以上の額はもらえないんだから、いっそ1円も払わず自分で積み立てでもしたら、と言いたいところ。まぁ今は年金や積み立てどころか明日のご飯にも困るくらいの極貧生活してますので、年金保険料免除の手続きをしてあります。親が言うセリフじゃないんですけど、このまま一生免除手続きしたままでいいんじゃね?なんてことも思ってます。
これだけ安部政権に好き放題やられまくって、文句も言わずに従ってるこの国の人々ってある意味しあわせかもしれませんね。