不寛容な社会

先日、熊本市議会でのど飴をなめていたことを理由に市議会から退席を命じられた、という件がありました。

退席を命じられたのは緒方夕佳議員。緒方議員は1年前の2017年11月にも生後7ヶ月の長男を連れて議会に出席したことで退席を求められたことがあります。

えーっとねぇ、世知辛いと言うか何と言うか、熊本市議の皆さんは融通の利かない人ばっかりなんでしょうかねぇ。

だって「のど飴」ですよ?パリパリとポテチ食ってたとかクチャクチャとガム噛んでたとかじゃないんですよ?体調不良で咳が止まらなかったためにのど飴なめてただけなのに、「品位の尊重に触れる」って何なんでしょう。一般の企業でも仕事中にのど飴なめてて怒られることなんてないでしょうし、むしろ国会でグースカ寝てる議員の方がよっぽど退席を命じたいくらいですよ。

で、この背景にあるのはどうやら1年前の赤ちゃん連れてきた件が尾を引いてる感じです。あの件では海外でも大きく報じられて時代錯誤だと非難されたために、どうやらそれを熊本市議の皆さんは根に持ってるようなんですね。イギリスのガーディアン紙のインタビューで「(1年前の件で)議員たちは自らの態度が時代遅れだと非難され、気分を害しています。それ以来、私が自己中心的で理不尽な振る舞いをしているかのように描きたがっています」と緒方議員が答えているように、重箱の隅をつつくようなネタで緒方議員を追い込みたいという思惑が透けて見えます。

はぁ、なんとみっともない大人でしょう。

これ、ほぼ「いじめ」ですよね。

本来なら1年前に受けた批判で自分たちの古い考えを改め、襟を正すところなのに、1年前の反省はおろかまた同じようなことで海外から非難を浴びるとは、学習能力に欠ける、もっと言えば彼らこそ「品位の尊重に触れる」のではないでしょうか。

 

この件に限らずですけど、何だかんだ言って今の時代はやっぱり不寛容がまかり通ってるな、と思います。

建前として女性の社会進出とか子育て支援とか言っておきながら、それらを整備していく立場の人たちがこんな不寛容さ(そして幼稚さ)では、建前としてのスローガンなんて絵に描いた餅ですよ。

いいじゃないですか、のど飴くらい。何でもアリでは困るけど、のど飴なめてて議会運営に何か支障ある?他に議論しなきゃいけないこと、もっとあるでしょう。

 

もっと大きな心でどーんと構えて、「のど飴、オレも持ってるからあげるよ」くらい言える懐の深さが欲しいものですね。