またこの日を迎えました。
昨日、今日とテレビでは震災特番やニュースでも震災に触れています。
その中で度々耳にするのが「あの日を忘れない」というフレーズ。
テレビで言われなきゃ忘れてしまうほど忘れてしまってる人ってそんなにいるんでしょうか。
毎日毎日そのことばかり考えているわけではないけれど、あれから7年経って忘れたことなんてないんですけど。
7年経って、形としての復興は進んでいるようにも見えるけれど、あの日からちっとも進めないでいる方もまだまだ多い。
震災や原発事故による避難者は年々減少し、数字の上では帰還が進んでいるように見えて、実際は復興も帰還もできないのに支援が打ち切られたことで避難者から「自主」避難者になったことで統計上カウントされなくなっただけという現実もある。
7年も支援したんだからそろそろ自立してよ。
居住制限も解除したからあとは戻ってがんばってね。
そんな簡単な話で済むならむしろ7年もかかってないと思う。
避難指示が解除されても戻るのは1割程度ではそこで永続的な生活をすることはできない。若い人が住まなければ子どもは生まれないし、学校もできない、病院もできない、雇用も生まれない、事業も行えない、住民サービスも滞る、負のスパイラル。全国にある過疎化によって限界集落となっているのと何ら変わらない。
私には、行政の方こそが震災や原発事故を早く過去のものにして忘れたがってるように思える。
東京オリンピックで「日本は復興しました!」と現実を無視した数字を世界に向けて発信したいのでしょうか。
先日、原子力規制委員会の更田委員長が会見で「事故から7年ではなく、事故は7年続いている」と述べたそうですが、更田氏に言われるまでもなくそんなことは当たり前で、7年経っても終息の目途すら立たない原発事故が進行中であるにも関わらず、各地の原発再稼働へGoサインを出す規制委員会こそ大事なことを忘れてしまっているのではないかと。
阪神淡路大震災と東日本大震災で大きく異なるのは「その地で復興できるか否か」という点。阪神淡路大震災では大変大きな被害は出ましたが、再びその場所で復興することが可能で、住む場所が奪われたり人口が大きく減少するということはありませんでした。が、東日本大震災は福島第一原発事故があったことで、その場所に再び戻れない人が生じてしまいました。
地震や津波など自然災害は防ぐことができなくても、原発事故によって住む場所を奪われることは防ぐことができる。
7年前に我々に大きな衝撃と共に与えられた教訓こそ、絶対に忘れるべきではないと思います。