平昌オリンピックの陰に隠れて審議が行われてきた裁量労働制。根拠となるデータがデタラメだったことで紛糾してますけど、安部さんの掲げる働き方改革の一環ですからまた数の力でゴリ押しされることでしょう。
データがデタラメだってこともさることながら、そもそもこの裁量労働制なんてものは「定額働かせ放題」と言われるくらいブラック企業が更にブラックになるだけなのは誰の目にも明白。自民を支持してる人たちだって自分の身に降りかかる問題になるかもしれないのにまだ支持するんですかね?もしそうならかなりのドMかと(笑)。
私が思うに、本当に必要なのは「働き方改革」ではなく「経営者改革」ではないかと。
裁量労働制はデメリットばかりではなくもちろんメリットもあるので、メリットを活かす方向で採用すれば労働者も歓迎するところですが、活かすか殺すかは労働者よりも経営者・管理職の采配次第というところが大きいでしょうから、一般的に考えて人件費を抑えたい経営者にとってはメリット、つまり労働者にとってのデメリットになる方向で使う可能性が高いはず。残業時間の上限についても正しく守ってる企業なら何の問題も発生しないのに、特別条項を悪用したりサービス残業を強いたりするから問題になるわけで、そんな企業が横行してる中で裁量労働制が正しく労働者を守る形で運用されるとはなかなか想像し難いと思います。
こういうのは結局経営者の首を絞めることに繋がるんじゃないかなぁと思うんですけどね。
ブラック企業では人がすぐ辞めたり、人材が確保できなかったり、そんな空気の中で従業員のモチベーションが上がらなかったり、結果的に仕事の効率や会社の売り上げも下がって、負のスパイラル状態。やはり伸びてる企業は従業員が伸び伸びと働いて、プライベートも充実し、将来設計もできるような、そんな環境が実現できている企業ではないかと。社員を捨て駒のように使うのではなく、家族同然に将来に渡って共に歩む仲間として守っている経営者の元には、困った時には助け合い、忙しい時には残業してでも一丸となって目標を達成する社員が集まるのではないでしょうか。
私もかつてはサラリーマンをしてましたけど、その時実感したのは「上がポンコツだとどうにもならない」ってこと。直属の上司がポンコツで、その上の上司も更にポンコツで、更に社長が輪をかけてポンコツだった日には下がどんなにがんばってもどうにもなりません。そういう環境だと仕事のできる人はどんどん辞めていって、他に行くところがないポンコツばかりが残ってしまってるので、最後には会社がなくなってしまいました。
逆に社会人になって初めて務めた会社の社長はとっても素晴らしい人でした。時には厳しくもあり、しかし社員に対する優しさは人一倍で、当時の私はその有難さをよく理解してませんでしたけど、自分で仕事するようになってあの社長のスタンスは見習うべきものがあったと気付かされたものです。
やはりねぇ、ピラミッドのてっぺんって大事ですよ。
なので、働き方改革も結構ですけど、労働者を守り・育てる、働かせる側の意識改革を先にしないと。ホントはそんなの当り前のことなんですけどね。
日本の技術力が下がってきたとか、大企業が昔じゃ考えられなかったしょうもないミスを犯すとか、そういうのって企業が従業員を大切にしてこなかったツケなんじゃないでしょうか・・・。