今日は息子の高校の卒業式でした。
これくらいの時期になると6年前のあの日を思い出します。
ちょうど卒業式シーズンの最中に起こった東日本大震災。あの時小学校を卒業した息子は役目を終えたランドセルを被災地に送りました。
それから幾度かの春が過ぎ、今日、卒業を迎えました。
まだ子どもっぽかった6年前から背は随分と伸びて私を追い越し、卒業式での姿も学生服を着てる以外はもうすっかり大人の雰囲気。間もなく車の免許も取れそうで、いつまでも子ども扱いはできなくなってきました。
この6年間で姿は大きく変わりましたが、思うことは6年前と何が変わったのでしょうか。
卒業式の最後、卒業生の退場時には息子が所属していた吹奏楽部によって中島みゆきの「糸」が演奏されました。
高校生活の3年間、夢中になってきた吹奏楽部。苦楽を共にしてきた後輩たちの演奏で送り出された息子は何を思ったでしょうか。
春からは専門学校に通うことになり、社会人になるのはもう少し先になりますが、これからは今まで以上に世界が広がり、多くの人たちと出会っていくことでしょう。
これから待ち受ける世界に向けて、悔いのない人生を歩んでほしいなと思います。
そして、人に優しくできる人間になってほしいと願っています。
最近は世界情勢でも経済でも様々な面で自己中心的な考えが強くなってきているような気がします。もちろん個人の人格や権利が脅かされることがあってはならないのですが、自分を守るために他人を傷つけることが正当化されるのも違うと思います。
縦の糸はあなた、横の糸は私
社会という布は1本の糸だけで成り立ってはいません。必ず他の誰かと関わりながら生きていくのが社会。また、どの糸が抜けても成り立たないのが社会。他の糸とうまく織り合っていけば美しい布になり、困っている人、傷付いている人、弱っている人を暖める布になっていくはず。
子どもたちにはそんな布を構成できる、人を思いやれる、人に優しくできる大人になってほしいと思います。
吹奏楽部の顧問の先生がそんな思いを込めて選曲したかは知りませんが(笑)
達也、卒業おめでとう。