先日、柏崎刈羽原発の免震重要棟について、設置されている敷地南側で想定する基準地震動の計7パターン全てに耐えられない可能性があると東京電力が明らかにしました。
免震重要棟とはその名の通り強い地震にも耐えられるように作られた施設で、巨大地震で原発にダメージが発生した際の最後の砦となるもの。福島第一原発の事故で免震重要棟が復旧の最前線となっているのはご存じの通りです。
その免震重要棟が免震になってなかったというのはギャグかと思うくらいのお粗末。
しかもこの事実を把握したのは3年も前の2014年で、この間に公表してこなかったと言うのですから、相変わらずの東電の隠蔽体質がまたも露呈したということです。
もし、この3年間に新潟で大きな地震が起きたらどうなっていたことでしょう。いや、3年間じゃないですね。柏崎刈羽原発に免震重要棟ができたのが2010年ですから7年も隠されてきたということで、もし今、地震によって深刻な事故が起こってしまったら為す術のないまま逃げるしかなくなる可能性があるということ。柏崎刈羽原発は現在停止中ですが、使用済み核燃料は施設内で冷却され続けていますから、福島第一原発レベルの事故が起こる可能性はゼロではないのです。
この発表を受けて「あの」田中委員長ですら「かなり重症だ」と発言する始末。米山新潟県知事も「説明を信じるのが全てのベース。今までの話し合いは何だったのか」と不快感を示し、条件付再稼働を容認している柏崎市の桜井市長も「体質が発展途上だと見せつけられた。再稼働には、より一層厳しい条件を付けなければいけない」と苦言を呈しています。
さすがにこれではどちらかと言えば味方だった人からも呆れられるのもムリはありません。相変わらず新潟県では東電のTVCMが柏崎刈羽原発の安全性を必死にアピールしてますが、もうそんなの誰が信じるのかってくらい信頼は失墜しています。
今回の件で、柏崎刈羽原発の再稼働は事実上なくなったと思っていいかもしれません。これでもまだ再稼働を支持するなんて人は頭おかしいと思います。
東京電力は柏崎刈羽原発再稼働をとっとと諦めて、福島第一原発の廃炉と事故被災者の補償に全力を傾けていただきたい。