福井地裁もずいぶんなクリスマスプレゼントをしてくれたもんです。
関西電力高浜原発3・4号機の再稼働差し止めを命じた4月の仮処分決定について、福井地裁は関電の異議を認めて決定を取り消し。関電は早速今日から3号機の燃料装荷を始め、来年早々にも再稼働を目指すと。
4月に仮処分が出た時は「司法は生きていた」と再稼動反対住民は大喜びしてたもんですが、確かあの時仮処分を決定した裁判長はその後左遷されて、今回仮処分を取り消したのは別の裁判長のはず。この取り消しされる2日前の22日には西川福井県知事が再稼動への同意を表明し、もちろん安部政権は相変わらず再稼動まっしぐらなので、結局のところ司法は生きてるどころか、逆らうヤツは容赦しねぇ、何が何でも思い通りにしてやるという悪代官と越後屋の構図が浮き彫りになったわけです。
福井県知事にも、福井地検にも、当然安部総理にも、住民の生命財産を守るという人として当たり前の思考が完全に欠如してるってことですね。
もちろん関電が絶対事故を起こすと決まってるわけじゃありません。これだけ世間の目が厳しい中ですから事故を起こさないように努めるでしょう。一度もトラブルを起こすことなく高浜原発が役目を終える日が来るかもしれません。
しかしそれは福島第一原発であっても同じだったはず。
事故を起こそうと原発を稼動する電力会社はないと思いますけど、100%起こさない保障ができる電力会社はないのです。
福島第一原発事故は未だに収束する気配すらありません。事故で避難した方の中には5度目の正月を仮設住宅で迎える人もいます。健康被害も徐々に増えてきて、チェルノブイリの例で考えれば今後更に本格化していくはず。一度の事故で失われるものがあまりにも大きすぎる、それが原発事故。
西川知事や福井地裁の裁判長はこの現実が見えてないのでしょうか。
4月の仮処分は誤りだったと思ってるのでしょうか。
これでもし事故が起きたときに、自分がどれだけ重い責任を負うのか理解してるのでしょうか。
福島第一原発事故前の安全神話をまだ信じてるのでしょうか。
原発事故を防ぐ一番確実な方法、それは原発を稼動させず廃炉にすること。
原発事故のリスクがなければ非現実的な避難計画を作る必要もないし、故郷が失われたり被曝で健康を害する人が出ることもない。どのみち原発は永遠じゃないのだから原発に依存する経済からは早々に脱却するべき。
また原発事故が起きたら今度はホントに日本が死にますよ。