昨夜、NHKスペシャル「きのこ雲の下で何が起きていたのか」を見ました。
広島に原爆が投下されて3時間後に撮影されたという2枚の写真を最新技術で分析、被爆者の証言と共に検証するというものでした。
そこから見えてくる当時の状況、被爆した人々の思い。
原爆というものは余りにも無慈悲で残酷な兵器だとあらためて思いました。
そんな凄惨な現実と同時にショックだったのは現場で行われていた命の選別。
原爆投下後、負傷者を輸送していた軍のトラックに幼い女の子が乗り込もうとした時に「男が優先、女・子供はあとだ」と拒否されたというのです。つまり、兵力にならない命は切り捨てられたのです。自国の軍人に。
戦争は人を悪魔に変える。
広島では原爆投下のその日のうちに14万人もの命が失われたそうです。
原爆による爆風を受けなかった方の中にも、その後の入市被爆で亡くなった方もいますから、少女を拒んだ軍人も亡くなったかもしれません。
わずか70年前に起こった悲劇。
生き残った被爆者も多くが既にご高齢になられていて、この悲劇を伝え聞かせる方も少なくなっていきます。
戦争も原爆も知らない私たちの世代がそれを伝えていけるよう、様々な形で知っておく必要があると思いました。
あと、話は少しズレますが、昨日行われた式典で(恐らく会場の外だとは思いますが)安部総理批判のデモがあったそうです。式典で安部総理へのヤジが飛んでたのはTwitterで見てましたがデモは知りませんでした。
何と言うか・・・・ちょっとそれはどうなのって気がします。
私自身は安保法案に反対だし、広島の皆さんが願う方向と真逆に進もうとしている安部総理には「よく顔が出せたな」と憤りを感じるのも事実だし、不戦を願う場で怒りが爆発するのも気持ちとしてはよくわかるのですが・・・・・そこはやはり平和祈念式典であって、不戦を誓うと共に原爆で亡くなられた方々を追悼する場ですから、本来ならヤジも控えるべきだし、8:15に大声で安部総理を罵倒するのは亡くなられた方々に失礼ではないかと思います。
いや、気持ちはわかるんです。気持ちは。
しかし、声を上げるにしても場所や日時を変えるなり、せめて祈りを捧げる時間は思想と関係なく静かに黙祷するべきじゃないでしょうか。
こういうことでは安保法案反対側にとってもネガ材料にしかならないし、本当なら理性的に議論しなきゃいけないことも感情論になりやすいし、連発する自民議員の失言と変わりません。
長崎では静かに祈りを捧げましょう。