救急車が有料化?

救急車

なんでも救急車を有料化しようって話があるんだとか。

前から緊急性の低い軽症の場合でも救急車を呼んだり、中にはタクシー代わりに使う人までいるってのは聞いたことがあって、今回の話も全部が全部有料ってことではなく、そういう軽症の方などの一部で有料にってことらしく、フランスでは重症者以外は30分3万円くらいかかる料金を参考にするという話も。

台数も人員も限られる救急出動がどうしても必要ってわけではないケースで使われるのは確かに問題。

ただ、有料化になることで助けられた命まで助けられないケースが出てくるんじゃないかってのが心配ですね。

例えば、目の前でひき逃げがあって、犯人は逃走、周りに誰もいなければ自分が救護するしかありません。当然即座に119番になるわけですが、ここで「あれ、この場合は無料なんだっけ?有料なんだっけ?有料だった場合オレが立て替えたりするの?」なんて躊躇があるとムダに時間が過ぎてしまいます。意識がなければ本人に呼んでいいか確認もできません。しかし人命優先と救急車を呼んだのに、実はひき逃げに見えて接触はしておらず、その人が勝手に転んで軽い脳震盪程度で軽症と判断されたら有料になっちゃうとか、さらに本人に「なんで救急車なんて呼んだんだ!お金取られたじゃないか!」なんて文句まで言われた日には、ただでさえクールな世の中なのに「怪我人・病人見かけても関わらない方がベター」なんて風潮にもなりかねません。

まぁ、こんなのはレアケースかもしれませんけど、具合が悪いのにお金の心配してバスで病院向かってたらバスの中で急変とか、そういうことは起こるかもしれません。

救急車って病院に運ぶだけじゃなく、到着後あるいは搬送中の応急処置ができるって重要な役割もありますしね。

以前、私の母が自宅で心肺停止で倒れた時、駆けつけた救急隊員の皆さんがすぐに蘇生処置をしてくれたお陰で一命を取り留めたこともあって、これが心肺停止のまま家族がクルマで病院までなんてことしてたら助からなかったかもしれません。

 

安易な救急要請の抑制という面で有料化に全面的に反対とまで言えないんですが、有料化する場合でもどこからどこまでなのかという線引きを明確にするなどは必要だし、それと合わせて利用者のモラル向上とか今の救急出動の実情を周知させるとか、単純に有料にすればアホな利用者が減るといった安易な制度にならないようにしていただきたいものです。