あれから今日で4年が経ちました。
今日の新潟市は時折小雪がパラパラと舞っています。
4年前のあの日も雪でした。
3月の雪ってあの日のイメージが頭の中に染み付いちゃってるんですよね。
きっと来年も再来年も同じように思うのでしょう。
4年が過ぎて(今日という日に限らずだけど)思うのは復興がなかなか進まないもどかしさ。
安部さんは昨日の会見で「来年3月で5年間にわたった集中復興期間は終了いたしますが、次の5年間の新たな復興支援の枠組みをこの夏までに策定いたします」と言ってました。
この4年でどれだけ復興が進んだのでしょう。もちろんあれだけの大震災ですから完全に復興するには長い年月が必要です。しかし、未だに仮設暮らしの方がいっぱいいて、将来へのビジョンを描けないまま過ごしている方がいっぱいいる現状は、次の5年を考える前にもっとやるべきことがあるんじゃないか、そのスピードは余りにも遅すぎじゃないか、と思わずにいられません。
せめて、この復興への道のりをマラソンに例えるなら、今は42.195kmのどのあたりにいるのか、ゴールまであと○kmなのかという目印だけでも示してもらえれば。
どこまで走ったのか、あとどれくらい走るのか、果たしてこの先にゴールはあるのか、先の見えないまま「頑張れ」と言われるのは被災者にとっては励ましより辛さの方が大きいんじゃないでしょうか。
そして原発事故。
この前も汚染水が湾外に流出していたのを1年近く隠していたというニュースがありました。4年経ってもまだそんな話が出てくる。建屋からも毎日放射性物質が放出され続け、海にも膨大な量の放射性物質が流れ出している。放出を封じ込めるのはもちろん、デブリの取り出しなんて夢のまた夢のように思えるほど、核に対して人間は無力。
安部さんは「東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策についても、引き続き、国が前面に立ち取り組んでまいります」と言います。汚染水漏れの時も「アンダーコントロ-ル」とお決まりの文句を繰り返してました。しかし実際に汚染水は海をどんどん汚染し、国が前面にと言うくせに実際は東電任せ。
原発事故の収束なくしては福島の復興はありません。漏れ続けている以上、いくら除染しても状況は悪くなることはあっても良くはなりません。大元を止めないことには。
この前開通した常磐道。路肩に設置されたモニタリングポストには毎時5マイクロシーベルトを超える数値が表示されています。昨年、交通規制が解除された国道6号線では人や自転車、バイクの通行は禁止、車も窓は全て閉めた上で空調は内気循環で、途中で停車して車外に降りることも禁止されています。
本来、帰還困難区域として立ち入りが制限され放射線業務従事者であっても許可なく入れないエリアです。そこを一般車両を通すというのは私からすると正気の沙汰ではないように思うのですが、安部さんは危険な地域に人を戻すことに関してはスピーディ。道路は通過するだけで住むわけじゃないんだから大丈夫でしょ、という意見もあるでしょうが、常磐道を工事していた方々は長らくそこの留まっていたんですよね?トラックや高速バスなど日常的に往復するドライバーもいるんですよね?原発が収束していないのにこうして道路を通すというのは長期的に考えてもっと慎重になるべきじゃないかと思います。
いずれにしても何よりも優先すべきは原発事故収束。もはや東電主導ではダメなのは明白なのだから、国が前面に立つのはもちろんとして、官民挙げて全ての英知を集め、海外の協力も得ながらスピード感を持って収束に当らなければなりません。
と、4年も経って今さらな話なのですが・・・・。
あとは、この4年間ずっと変わらない分断。
放射性物質による健康への影響があるのかないのか。
気にする人は何でも気になっちゃうし、気にしない人はさっぱり気にしない。その中間にいる人もいるかもしれないけど全体としては両極で分断されているように感じます。
そしてこの国の方針としては「影響ない」というのが基本スタンス。基準値以下の食品を食べても健康に影響ない、福島の子供たちから見つかった甲状腺がんも原発事故の影響とは考えにくい、毎時5マイクロシーベルト以上の道路を通行しても問題ない。両極で分断と言っても多くの方は国を信じて、懸念を持つ人は今も少数派でしょう。
ただ、この影響があるかないかという前提は、そのいずれかによって復興の道筋も大きく変わるわけで、このまま何も起きなきゃいいけど起きた時にはどうなっちゃうんだろう・・・・という不安はいつも抱えています。
このテの話は荒れるのでほどほどにしておきますが、私自身は「わからないから気をつける」のスタンスをこれからも継続して、できることなら何も起こらず、悲しい過去から立ち上がって明るい笑顔に溢れる日本になっていってほしいなと願っています。
安部さんはしなくていいことは後回しでいいので、やるべきことを最優先で取り組んでください。