ベストセラーだけにあらためて説明する必要もないですね。
現役官僚(覆面)の告発風小説です。
今さらですが、そういえば読んでないやってことでAmazonで古本をポチ。
うん、おもしろかったです。
一気に読み上げました。
ただ、純粋なフィクションだったらもっとおもしろかったかな、と。
いえ、おもしろさが足りなかったという意味ではなく、おもしろさ以上に怖さを感じたから。
ご存知のように、この「原発ホワイトアウト」では新潟県を新崎県とするなど固有名詞は変えてはいるものの、作者の体験を元に非常にリアルな、フィクションであるようで完全なフィクションでもないと言うか、ノンフィクションに近いフィクション、いわばセミフィクションのような内容です。
「原発ホワイトアウト」が出版されたのが2013年9月。福島第一原発事故から2年半後です。そして私が今回読んだのが出版からさらに1年半後。出版時のタイミングでも事故後の各界の動きをリアルに描いていますが、それから1年半後というタイミングで読んだことで、その1年半のリアルでの動きがまるでフィクションからノンフィクションに近づいていっているように感じてしまいました。
ここ数ヶ月の間だけでも大きな地震が頻発しています。
ISILからは日本もテロのターゲットだと告げられました。
自然災害にしろテロにしろ、原発事故が再び起きる可能性は充分ある。
電源が喪失してしまえば原発はいとも簡単にメルトダウンを起こすことは世界中に知れ渡り、そして、この国には原発事故に対応できる術がないことも知られている。
「原発ホワイトアウト」のエンディングは容易に現実のものにできるということです。
それを思ったら怖くてねー。
事故後の政府のテンパり具合なんかすごーくリアルに想像できちゃうし。
間もなくあの日から4年ってタイミングだってことも大きかったのかも。
もう読んだって方が多いとは思いますが、古本もいっぱい出回ってるのでまだの方はぜひ一度。
そのうち続編の「東京ブラックアウト」も読んでみようと思います。